復讐の赤線~恥辱にまみれた少女の運命~の1巻から最新話まで読んでみました。

見どころ、ネタバレ、感想をどうぞ。

復讐の赤線~恥辱にまみれた少女の運命~あらすじ

第二次世界大戦が終結した戦後の混迷期。

家族、両親を失い、天涯孤独の身の上となり、戦争孤児として一人生きる事となった少女──頼子は、安住の家もなく、無慈悲な親戚に厄介者とたらい回しにされ不遇な人生を送っていました。

そんな彼女が14歳を迎えた時、母方の遠縁の縁者である杉山家に養女として引き取られる事となりました。

杉山家の家長の功にその妻である信子。

長男の篤人に長女の恵子と弟の俊人。

幸せそうな杉山家に迎え入れられた事で、ようやくに人並みの幸せを手にする事が出来ると、安住の地を見つけたと安堵していた頼子でしたが、これは長く過酷な地獄の始まりでしかありませんでした。

彼女は家族として迎え入れられたわけではなく、都合のいい奴隷として拾われてしまったのです。

家族の唯一の想い出である写真を破かれ、杉山の奴隷として理解しろと、無慈悲な扱いを受けていく彼女。

過酷な労働に従事させられ、人間として扱われない日々は、まさに地獄でしかありませんでした。

そんな中で長男の篤人だけは頼子に優しく接してくれました。

杉山の家で唯一に家族として受け入れてくれていた彼。

彼の優しさで心を保っていた彼女でしたが、やがてこのささやかな幸せすらも奪われてしまうのです。

さらなる地獄へと追いやられてしまう頼子。

彼女はこの地獄から抜け出せるのでしょうか?

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復讐の赤線~恥辱にまみれた少女の運命~見どころ

戦争で全てを失ってしまったと、物語の開始当初から地獄の様な人生を送っているヒロインの頼子を主軸に描かれていく愛憎劇と復讐劇が入り混じる内容。

陰惨な時代の中で微かな幸せを手にしようと奮闘し、そして決断をすると、強く浅ましくも生き抜く事に執着を持つ、ドラマ性のある作品でもあります。

杉山家と、いわゆる昔ながらのお金持ちのお家に、養女として迎え入れられた頼子。

しかしその家は頼子を家族として受け入れたわけではなく、奴隷として拾い上げたと、まさに鬼畜の家族として頼子を苦しめていきます。

杉山の家は、まさに地獄とも言うべき場所で、頼子を家族としてまったくに扱わず、徹底して頼子をイジメ抜くと、信じられない事をしでかしていきます。

眼を覆いたくなるようにイジメの陰惨さや、長女の恵子のあまりにもな頼子への扱いなど、あまりにも酷いと、人間とは思えない程の毒っぷりを見せてくれます。

良心が痛まないのかと、人とは思えない程の悪意を一人の人間にぶつけ、徹底してイジメ抜く悪魔の様な事を平然としでかすと、戦後の人間でなくとも許される筈の無い、人としての優しさすらも見せない悪魔の様な家族と、この作品の見どころは、この家族の悪としての行動にあります。

そんな家族の中で唯一に優しさを持って頼子と接してくれる篤人。

彼の存在は杉山の家で唯一に頼子の支えとなっていき、恋心の様な気持ちを抱く様になり、次第に彼に惹かれてしまうのですが、杉山の家がそれを許してくれるわけもありません。

頼子と篤人の関係を面白く思わない杉山の一族は、彼女をさらに徹底としてイジメ抜いていくと、鬼畜の様な所業をしていきます。

この作品では、そんな人間の憎悪が描かれており、その中でも微かな愛情に心を支えられながらも耐える頼子の姿を見守りたくなると、そんな彼女の心の強さが見どころの一つとも言えます。

そして何故にここまでに頼子にこんな仕打ちをするのかと、彼女の過去に関わる何かが原因にあるのかと、そんな物語のドラマ性にも注目したい見どころがあります。

戦後の混迷期の中で、望まぬ形で幸せを奪われてしまい、過酷なる人生を歩む事となった頼子。

彼女はそんな地獄においても、決して挫ける事は無く、己の心の強さを持ち、耐え抜いて幸せを得ようとする強さを持っています。

どんな辛い目にあおうとも、酷い仕打ちを受けようとも、必ずに幸せを求める、その直向きな生き方は、幸せな終わりを迎えられるだろう希望を持たせてくれるヒロインの魅力があります。

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復讐の赤線~恥辱にまみれた少女の運命~感想

昭和の戦後を舞台にした愛憎劇のメロドラマの様な演出と、実に面白い内容で物語が紡がれています。

ヒロインの頼子は、戦前は裕福な人生を送っていた、元お嬢様でしたが、戦争の混乱の中で家族を失い、天涯孤独になってしまったと、親戚をたらい回しにされていると、物語の最初から酷い人生を歩んでいると、彼女の苦労がしのばれます。

そんな凄惨な人生の中で唯一に光明と言うべき遠い親戚に引き取られる事となると、名家のお金持ちである杉山家に養女として迎え入れられるも、彼女が幸せになる事はありませんと、徹底的に不幸に見舞われていきます。

戦後とはいえ、この杉山家の面々はあまりにも酷いと、人間とは思えない程の悪人の存在と、実にえげつない事をしでかす輩です。

そんな毒家族の中でも比較的にまともだと思える篤人。

彼は頼子を家族として接してくれるのですが、彼にも心の闇がありそうと、実に怪しい雰囲気があります。

この毒家族の中で、まともな人間と篤人には何か、知られざる過去がありそうな予感がします。

他の兄弟とは違う雰囲気と、しかもあの毒親二人に似ていないと、今後の展開で明らかにされていくのでしょうか?

篤人の過去と頼子の過去に何かがあるのかと、また杉山家の人間は、何故に頼子にあんな仕打ちをするのかと、色々と謎がありそうですね。。

そして特にこの物語を語る上で最も恐ろしい女と思えるのは、恵子と言う毒娘です。

この毒娘は、かなりヤバい怖い女です。

人としてこんな事が出来るのかと思えてしまう程に、えげつない程に極悪非道な毒娘です。

もう甘やかされているだけでは済まされない程に、頼子の事を徹底的にイジメていくと、悪女では生易しい表現が似合わない毒女と言っても良い程に際立つ悪人です。

そんな毒娘が何故か篤人に恋慕を抱いている様な雰囲気と、頼子に優しくする事が気に喰わないと見せる嫌味。

何かがありそうですね。

こんな問題だらけの一族の中で、頼子は家族として迎え入れてもらおうと必死に努力をするのですが、それが報われる事は無く、さらにひどい目にあってしまうと、彼女の不憫が際立ちます。

本作を通して見るのは、戦後の混迷の陰惨さではなく、家族の在り方や、また家族の悪意など、実に陰惨で陰鬱な人間の裏側の醜さにあり、それに立ち向かう頼子の生き方と、戦後を強く生きる女を見ていく今作。

彼女がどんな幸せを手にし、そして毒親の杉山家にどんな仕打ちが待ち受けているのかと、最後にちゃんと決着がつくのかと、物語の終着が気になる作品ですね。

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