泥濘の食卓を最新刊まで読んだ感想とネタバレ注意のあらすじ、見どころをご紹介したいと思います!

泥濘の食卓ネタバレ注意のあらすじ

お前には何のとりえもない!

幼い頃、そう面等向かって言われた父親の言葉に深愛は、自分には何のとりえもない人間なのだと知ります。

そして父親に常に人に優しくあり、人の為にあれと言われ、それを第一に考えて、ずっと生きていました……

そして大人になった深愛は自分の父親に対し、感謝をしていました。

父親の為に人の為に生きていたからこそ、素敵な出逢いに恵まれたのだと、彼女は恋人からのアクセサリーに至福を感じていました。

生まれて初めてのプレゼントと、年上の恋人である那須川への想いを一心に募らせていき、いつか彼と結婚して、幸せな家庭を作り、生涯を共に過ごせると、そう信じていました。

例えそれが妻子のいる人との不倫関係であっても、那須川とならば乗り越えられると、妄信的に信じていた深愛。

でも、許されざるこの恋の結末は、思わぬ方向へと動いてしまいます。

しばらくは逢えないかもしれないと、彼女を実家へと送る中で彼は家庭の悩みを深愛に打ち明けていきます。

妻が鬱を患い、ごたごたしていると、そう困り顔で告げる那須川。

そんな彼を元気づけようとする深愛は、自分が付いているから大丈夫だと言います。

ただ一方的な抗いがたい程の依存心を見せる深愛の言葉は、那須川を困惑させてしまいます。

異様なほどに愛を向けてくる深愛に抗えないゆえに、歪んでしまい、そして感情の泥濘へと沈んでいく恋の結末はどうなるのでしょうか?

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泥濘の食卓の見どころ

人の為に在ろうとする事を第一に考えて、純粋で無垢な愛情を持つが故に、他人を狂わせてしまう事となる、ヒロイン──捻木深愛の歪んだ恋の物語となる「泥濘の食卓」の見どころを語りたいと思います。

かつては自分の父親から、お前には取り柄がないと言われ、それ以来から歪んだ考えを押し付けられ、他人を第一に考えながら成長してしまった深愛。

彼女は壮絶な過去を持ち、また現在もそんな父親と共に生きていた母親に依存する形で生きていると、自分を認めない家族に囚われた人生を過ごすヒロインとして、本作の物語を紡いでいきます。

彼女の根底には、自分は何の取柄もなく、人の為に生きれば、他人に愛される人間になれると信じている妄信的な考えがあり、それ故に他人に迷惑をかけられないと、また他人に嫌われたくないとする、いわゆる良い子を演じてしまう性質を抱いています。

自分の意見を持たず、他人に合わせる様に生きてしまう中で、勤め先のスーパーの店長である那須川と不倫関係を持ち、そして彼に依存する様になってしまうと歪んだ愛情に囚われてもいます。

自分を受け入れてくれたと、不倫の火遊びを本気の愛情として受け取り、那須川の為に生きていたいとする深愛の愛情は、確かに純粋無垢ではあるも、それは家庭を持ち、また社会的な地位を持つ那須川を狂わせてしまう、恐ろしい想いへと変質していきます。

本作の見どころは、そんな深愛の歪んだ愛情と、また彼女の純粋過ぎる魅惑に惑わされてしまう、若き男性の想いが暴走していく、タイトルにある通りの泥濘が、最大の見どころとなっています。

想いを拗らせてしまうが故に、抜け出せられない、男女の恋愛の泥濘へと沈んでいく彼女と彼ら達。

幸せになりたいと願う、好きな人と結ばれて、幸福な人生を送りたいと願うも、上手くいかないと頭打ちをし、そして何で自分は幸せになれないのかと、迷いながらに答えを出そうとするも、結果としてそれは破滅へと繋がってしまうと、決して報われない恋として物語られて行きます。

そんな泥濘の中で想いを紡いでいく事する深愛の行動は、純粋な愛情ではあるも、想い人である那須川に受け入れられる事は無く、さらに困惑の泥濘に沈んでいき、破滅へと繋がっていく様は、愛情の闇とも言える内容に綴られています。

愛されたいと願い、愛したいと願う、そんな男女の恋への想いが、平穏な日常を壊し狂わせていき、それでも尚に恋を求めてしまう様は、ある種のホラーの演出とも言え、純粋過ぎる愛情の恐ろしさも描いています。

純粋に恋をする事は恐ろしと感じてしまう、歪んだ想いの恋愛漫画である本作。

愛に恋にと狂い堕ちていく、そんな登場人物達の結末に見どころがある作品です。

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泥濘の食卓を最新刊まで読んだ感想

「泥濘の食卓」を読み終えての感想をまず挙げてみれば、ヒロインの深愛があまりにも不憫に感じます。

毒親に育てられてしまったが故に、歪んだ感性を持ち、また自身の存在価値を誤ってしまっていると、他人を優位に考えてしまい、それ故に自分の秘めた想いを隠し生きていく彼女。

それ故に嫌われたくないと不倫をしている相手に、隠れながら異様なまでに愛情を向けて行動していくと、確かに純粋な愛情を持つ優しい心の持ち主ではあるのですが、本質があまりにも壊れております。

それ故に多くの人の人生を狂わせてしまうと、天然な魔性の女としての恐ろしさもあります。

深愛は母親と実家暮らしなのですが、その母親に依存する形で頼られてもおり、社会人にも関わらず門限付きで振り回されてしまうも、母親に嫌われたくないとする根底故にある依存ゆえに彼女も苦しんでいると、その闇は実に深いです。

父親に誤った教育を受け、母親にも苦しめられ、自分の存在価値を徹底として歪められて生きてしまう彼女。

そんな彼女を中心にして物語れていく内容は、彼女と関わる事で、同じように愛情に歪んでいる人間の物語として紡がれていき、家庭の問題を抱える不倫相手の那須川は、そんな彼女に依存しながらも、事があれば別れたいと密かに願う最悪な男性でもあります。

妻が鬱を患い、それを受け入れてはいるも、結果としては逃げ道として深愛に依存していると、彼女をさらに狂わせながらも、彼自身も彼女に狂わされてしまう、まさに泥濘の関係とも言える二人。

依存する愛情はあるも、それは互いが結ばれる純粋な愛情ではなく、困った時に頼ってしまうだけの歪んだ愛情であり、一時的な快楽を求めて、熱が冷めればまた距離を置くと、どっちつかずの関係を続けていきます。

彼女の事を逃げ道として利用する那須川は、彼女を苦しめる要因の一人であり、そんな性根にも関わらず、彼への愛情を純粋に抱く深愛。

人の為に生きろと、確かに綺麗な言葉には聞こえますが、その言葉は適当に言い放った、無責任な自己完結の言葉でしかなく、彼女の将来を願った親の言葉ではなく、彼女の可能性の全てを奪った呪詛とも言える最悪の言葉でしかありません。

ずっと深愛の心に残り続け、彼女を狂わせていく原動力となった、父親の言葉。

そんな他人の為に生きようとするも、それが他人を狂わせてしまう事になると知らず、親に与えられなかった愛情を求めて狂ってしまう、そんな深愛が、最後にどんな結末を迎え、幸せを手に出来るのかと、泥濘の想いの果てが気になる内容です。

 

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