こんな人生は絶対嫌だ最新刊までのあらすじ、ネタバレ、感想をまとめてみました!

こんな人生は絶対嫌だあらすじ

宮原紗希は普通の学生として過ごしていた筈でした。

でも、どこで間違ってしまったのかと、彼女は深い絶望を抱いたまま、公園の中を彷徨い歩いています。

全身にタバコを押しつけた焦げ痕が痛々しく残り、全身には幾つもの傷が刻まれ、自分を見る人々の奇異な眼差しに耐えられず、なんでこんな目に合うのかと、そして何で自分がこんな事になってしまったのかと、自問するも答えは出ません。

意識が失われそうな中で、思い出すのは10か月前。

あの日までは普通に生きていた筈なのにと、紗希は今の現実から逃避するかのように思い出していきます……

長い試験が終わりそれなりの成果が出せたと安堵し、友達と一緒に放課後を散策しようと久しぶりの羽休みと、楽しみに歩んでいた中。

友達が忘れ物をしたと教室に取りに戻り、先に行ってほしいと一人、近道に体育館裏の裏口へと向かっていた矢先に、紗希は出くわしてしまいます。

不良の真哉とその取り巻き達が、タバコを吸っていたのです。

慌てて踵を返し、その場を離れようとするも、呼び止められてしまい、そして自分にタバコを吸う事を強要してきたのです。

共犯者になれと進めてくる真哉。

逃げる事も出来ず、抗う事も出来ない紗希は、ただその要求を受けるしかありませんでした。

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こんな人生は絶対嫌だ見どころ

真面目な優等生である紗希は、ひょんな事で不良の真哉と関わってしまう事となってしまいます。

タバコを吸っていた現場を目撃し、その場を逃げようとするも、口止めとしてタバコを吸う様に強要されてしまうと、校則違反の共謀を担がされてしまう彼女。

そして不幸がここで始まってしまいます。

紗希はとても成績優秀であり、進学の事や将来の事をしっかりと見据えて人生設計が出来る優等生でもありました。

しかし家庭は複雑な状況でした。

まず母親はアルコール依存の傾向があり、いつも飲んだくれては夫の不倫を疑っており、それを紗希に愚痴ると、何時もの様に彼女を圧迫する母親の存在と、不在の父親に対する疑心暗鬼と、紗希は日に日にストレスを抱えていたのです。

勉強を頑張っているのに、そして成績も上がっているのに、何も評価してくれない母親と、家庭において居場所のない紗希は、心身ともに疲弊していました。

父親が帰ってこないのは、自分のせいだと言わんばかりに言葉で責めてくる母親。

そして今日の不良との関りなど紗希は、一抹の不安を覚えながらに翌日を迎えてしまいます。

昨日の事があったばかりで、また変な難癖をつけられないかと気弱な気分で過ごしていた彼女に、真哉が紗希を訊ねてきます。

不良に呼び出されてしまうなど、尋常ではない事だと警戒するも、担任に相談などは出来ず、孤立無援の中で絶体絶命と、焦燥感を募らせていた紗希でしたが真哉は意外に優しい素振りで彼女の事を気遣ってくれていたのです。

家庭の事で元気がないと紗希に優しさを見せる真哉ですが、紗希は初めて他人に気遣われて、怖いと思っていた不良達が意外に優しい人物だったと思う様になってしまいます。

こうして彼女の人生は大きく傾いていく事となります。

怖いと思っていた不良達に親切にされ、また親との確執などを抱えていた中での優しさを癒しと勘違いしてしまったが故に、不良に気持ちを許してしまったが故に、優等生であり、また順調に進んでいた人生が傾いてしまう彼女。

崩落していく転落劇とも言える、彼女の人生のが瓦解が緩やかに始まっていく内容に、この物語の見どころがあります。

普通の人生を歩んでいた人間が、なんでこんな事にと、思いがけない事ではなく、ただ一瞬の出逢いで変わってしまうのだと、そして油断してしまう事や、気を許してしまう事で大きく変化してしまうと、人との関わり合いのかけ違いが人生を狂わせてしまうと、そんな恐怖が本編の魅力となっています。

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こんな人生は絶対嫌だ感想

原作は社会派漫画で有名な丸山ゴンザレス先生に、作画漫画家は暗転とした社会の裏側を描く船木涼介先生と、現代社会の闇と転落劇とも言える内容で綴られていく、不幸な少女の物語とも言える作品です。

ヒロインとなる紗希は平凡な、どこにでもいる普通の女子高生でした。

いわばありふれた日常を送る一般人であり、世界を救う事や特別な事が出来るヒロインでは無いのです。

まして突出した才能や美貌を持つわけでもなく、これからそんなチートに恵まれるわけでもなく、ただの普通の退屈で当たり前の人生を歩んでいた彼女。

しかしたった一度の失敗で転落してしまい、そして二度と、かつての平穏で平凡であり、自分のやれるべき事をしていたら、問題の無かった日常に戻れなくなってしまったと、平凡な女子高生の唐突なる転落劇が、この物語の根幹的な内容とも言えます。

紗希をあえて語るのならば、退屈な優等生であると言う事。

彼女は勉強を取柄にし、それを頑張りながらも優秀な成績を収め、地味ではあるも毎日を必死に生きていました。

しかしそんな彼女の悩みは家庭であり、両親が不仲な故に、その苛立ちを向けられていたが故に、彼女の人生は順調に恵まれたものではなかったのです。

母親が夫の浮気を疑いアルコールに依存し、父親は家庭にはめったに戻らないと、安らぐべき場所である家庭に居場所のない紗希。

両親との関係が不仲で、紗希はその中で自分を殺して生活する人生を強要されていたのです。

それは現代の社会では平凡であるも、どこにでも抱えているだろう問題でもあると思われがちですが、それは大きな不和の一部でしかなく、彼女の人生の傾きの原因の一部となってしまう要因でしかありません。

それ故に高校の不良グループの喫煙を目撃してしまい、喫煙の共謀者として不良達と関わってしまった彼女は、自由に気ままに生きる不良に気を許してしまい、順調だった人生を踏み外してしまうと、救いがたい不幸へと堕ちていく様がこの物語の大筋ともなっていきます。

家庭が悪かったせいで転落してしまったのか、それとも安易に不良に関わってしまったが故に転落してしまったのかと、意見などを挙げればきりがありませんが、この物語に置いて注目すべきは、転落は些細な事で始まってしまい、それは予測の出来なことなのだと言う事です。

平凡に生きていた筈なのにと、優等生だった紗希が不幸に見舞われていく様は、胸を掴まされてしまう想いを抱きますが、怖いもの見たさで彼女の顛末を知りたいと追いかけてしまう負の好奇心を読者に誘う内容は、現代社会の闇を知りたい好奇心とも言えます。

人が転落する経緯を知りたいと思う好奇心を満たしたい人に、是非に読んでほしい、そんなダークサイドの物語とも言えます。

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