夫がいても誰かを好きになっていいですか?のあらすじ、見どころ、感想を書いてみました!
夫がいても誰かを好きになっていいですか?あらすじ
今井ハルはどこにでもいる普通の専業主婦でした……
夫であるマコトの仕事の都合で東京から大阪へと引っ越す事となり、戸惑いを感じながらも新生活に慣れようとしていました。
知り合いも友達も誰もいない大阪にて、新生活を始める事になったハル。
最初はここで新しい生活を始めて、友達も作っていけばいいと前向きに考えていましたが、夫との間には溝があり、引っ越し先のお隣の奥さんを見てデレデレしてしまう彼を見て、嫉妬と失望感を抱いてしまいます。
夫とセックスレスになってから、満たされない想いを抱く様になり、こう考えてしまう様になっていました。
もし、心の底から好きな人と結婚していたら、どうなっていたんだろう?
と。
もし本当にそんな人がいたらと考えてしまうと、胸の奥が熱くなってしまうも、それは不貞行為でしかないと、罪悪感が沸いてしまうも、その想いを誤魔化す事が出来ず、考えてしまいます。
もし、そんな人と恋をして、満たされる想いで結婚すれば、人生は変わっていたのかも?
夫がいるのに、他人を好きになってしまう自分は、人として妻として間違っているのだろうか?
知り合ってしまったのは大学院生の後藤アラタと不倫関係になってしまったハルは、罪悪感を抱き、高揚感を抱きながらも、この関係に満たされていたのです……
夫がいても誰かを好きになっていいですか?見どころ
夫を持つ主婦・ハルの視点から紡がれていく不倫をしてしまい、その関係を自分から放棄できずに、ズルズルと不貞関係を続けてしまっている主婦の罪の意識と至福に満たされてしまう高揚感の中で揺れ動く物語となる今作の見どころを説明していきたいと思います。
まず主婦のハルは、ふしだらな女性ではなく、良き妻であろうとする意識を持つが故に、自分を追い詰めてしまい、見失ってしまった不運の女性とも言えます。
夫であるマコトは、確かに悪い人間ではないのですが、彼の性格は言うなれば我が強すぎてしまい、仕事が忙しいと家で自堕落に過ごしてしまう、典型的な自分勝手の夫の立ち位置にいます。
彼を見ればハルに対してなんて残酷な男なんだろうと感じてしまうも、彼なりに妻を大事にしている意識はあるのだと感じられる部分はあるも、それはハルに伝わる事は無く、二人の距離はさらに広がっていくだけでしかありません。
ハルを物語を通して見れば、彼女は真面目過ぎる性格の持ち主であり、夫のマコトは奔放に生きていきたいと考えている人物と、互いに性格が違う夫婦である事が解ります。
それ故にすれ違いが幾度なくと起きてしまい、また身体が満たされないセックスレスとなってしまうと、早めの倦怠期を迎える事になるハル。
何が悪いわけでもなく、何故にこうなってしまったのかと、彼女の夫婦生活は困窮したものとなってしまい、夫に対しての愛情を冷ましてしまうハルは、やがてアルバイト先の男性と関係を持つようになってしまいます。
それが彼女の心を満たしてくれる浮気相手の男・アラタでした。
彼は夫とは違い、引っ込み思案の他人との人付き合いを苦手とする男性であり、最初は付き合いづらい印象の悪い男性でしたが、話をしてみて幾度なくに言葉を交わしてみれば、意外に可愛い性格をした男性と、彼に対する好意を持っていきます。
マコトとアラタの二人を見て、温度差を感じてしまうハル。
夫であるマコトは自分の事を邪険に扱っている様な雰囲気があり、またこっちの話をちゃんと聞いてくれないと満たされない想いを抱く様になっていました。
アラタは夫とは違い、話を聞いてくれるし、また彼の人なりに好感をもっていき、不器用ながらも生真面目な彼に惹かれる想いを持ってしまうと、春の心は揺れ動いてしまいます。
そして始まってしまう浮気。
この物語を通しての見どころは、人は何故に浮気をしてしまい、また結婚をするまでに気づき上げた想いは、なんでこうもあっさりと崩れ去ってしまうのだろうと、浮気に至る経緯や、またその後の浮気を続けてしまう関係などを深く物語の中に組み込んでいます。
浮気をするが故にと、浮気に至ってしまうのは何故かと、揺れ動く心の闇をテーマにしていく内容は、ラブストーリーの様に思えてしまうも、間違えれば破滅を迎えてしまい、多くの物を失ってしまう危険行為と、浮気をする事の代償と対価を題材にしている部分などが見どころとも言えます。
夫がいても誰かを好きになっていいですか?感想
漫画家・ただっち先生が手掛ける今作の漫画「夫がいても誰かを好きになっていいですか?」は、不倫をテーマにしたヒューマンドラマとなっている作品です。
不倫と聞けば、実にドロドロとしている人間関係がテーマになっており、また不倫をしていた裏切り者の立場になってしまう人物が、見るも無残な破滅を迎えていく結末が多いです。
社会的な信用を失い、また家族からも見捨てられてしまい、全てを失う浮気を働いてしまった人間の末路。
それは現代劇の痛快な部分とも言える内容を題材にしているように思えますが、本作はどことなく切ない印象があります。
ヒロインとなるハルは、悪女ではなく、生真面目な性格をした人妻として登場します。
夫のマコトを大切に想ってはいるも、東京から大阪へと転勤されてしまい、慣れない土地でのストレスやセックスレスの問題故に、良き妻であろうと努力を続ける彼女ですが、その真摯な想いは夫に無下にされてしまうと、実に不幸な女性でもあります。
そんな彼女の事を不器用ながらも大切にする、アルバイト先の大学院生のアラタとの出逢いは、そんな彼女の疲弊した心を癒してくれるきっかけにもなるのですが、それは育んではいけない想いを産んでしまう要因でしかないと、実に闇深い展開を迎えていきます。
浮気は駄目なのにと解かってはいるも、浮気を止める事が出来ないハル。
アラタの事を愛せる男性なのだと考えてしまう様になってしまい、それ故に夫のマコトよりも彼へに想いを強く持ってしまうハルを、不倫女と安易に責められる事も出来ないのも事実でもあります。
マコトは確かにハルを妻として大切にしてはいるも、その扱いはあまりにも不器用すぎてしまい、それ故にハルに対しての深い軋轢を生じさせ、彼の行った知らずの悪意の行為が招いた結果だと言える部分もあります。
夫婦関係が上手くいっていないが故に壊れてしまう関係にも関わず、何故にこうも面白いと感じられる本作の内容は、それが純愛模様であるからこそなのかもしれません。
不倫で培ってしまった、いわば捨てなければいけない想いにも関わらず、アラタの事を好いてしまうハル。
純粋に人を好きになりたいと願い、その想いの果てに浮気をしてしまうと、彼女の事をふしだらの一言で解決する事も出来ますが、想いを裏切れない心の葛藤劇とも言える内容も、この作品のテーマとも言えます。
浮気してしまうのは何故か?
理性では解ってはいるも、心が求めてしまう至福の為と、後戻りの出来ない浮気。
そんな泥沼の中で、どんな結末があるのかと、注目したい内容です。
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