同じ顔なら、どっちだって一緒?そんなわけないW双子の恋愛模様
Wミッション! 未散ソノオ Chara COMICS 徳間書店
Wミッション!ネタバレ
市議会議員秘書である玄一郎は何でも起用にこなすため、貧乏くじを引きがちな人生だった。
毎日忙しい彼が求めるもの、それは「癒し」。
しかし、仕事から帰った彼を待つのは、双子の兄理一郎。
彼は家にいて、犬のニコールの世話とブログ更新だけをしている。
珍しくニコールの散歩を頼まれ、歩く先にゆったりとした様子で休む男性がいた。
その男性を見て、羨ましいと思うが諦めムードの玄一郎。
家に帰ればほぼニコールのブログ更新しかしたことがない理一郎が突然働くと言い出す。
理由は母親の代理。
不安に感じる玄一郎だったが、理一郎自身は玄一郎に任せれば安心だと言われ愕然とする。
やれる人間がやればいい。
そう思っている玄一郎だが、疲れた体を休めていると昨日の男がコーヒーを渡してきた。
近くでカフェをやっているからまた来て下さいと言う男。
何やら顔見知りのような態度を不審に思い、理一郎に確認すると告白されたと答える。
犬中心である彼は考えておくと言った理一郎だったが、玄一郎の様子に惚れたならやるぞと言い出す。
同じ顔だからどっちでもいいだろう。
その言い草に困る玄一郎だったが、カフェに行ってみると男に優しくされてしまい好きになってしまう。
家に帰れば理一郎が自分に仕事は無理だから何とかしろと言い、自分で何とかしろと怒鳴って出て行く玄一郎。
カフェに行き、自分は双子で告白されていない方だが、付き合って欲しいと告白するとあっさりと承諾される。
顔が同じなら誰だっていいのかと詰め寄る玄一郎に誤解があるようだと言ったところに、彼と同じ顔の人物が現れてー…。
Wミッション!感想
二組の双子がお互いに想い合う姿にキュンとする
双子同士の恋愛なので、どっちがどっち?
という展開ではなく、しっかりと互いに選んでいるところが良い作品です。
当て馬などは存在せず、ただ、互いに自分の選んだ人へ真っ直ぐなところが良いんですよね。
弟の玄一郎はとんでもなく自分勝手、マイペースな兄に振り回される人生。
そして彼自身「できる人間がやればいい」と思うタイプなので貧乏くじばかり引いている。
両親も彼を取り巻く全ての人も、彼に頼りっぱなし。
彼自身、仕事は好きしと乗り越えているものの、人間ですからね。
疲れますよね。
そんな時に現れたのが兄よりももっとマイペースな男、寿。
しかし、寿の作りだす雰囲気が玄一郎を癒すのにぴったりなんですよね。
犬の世話と犬のブログ更新しか出来ない兄の理一郎はずっと弟に任せっぱなし。
どうしようもないのに、モテるのは兄ばかり。
そんな兄に引き寄せられるのは、矢張り貧乏くじ体質の寿の弟司なんですよね。
本当、上手くできてますよね。
何もできないのに、モテる。
バツ1なところも理一郎が引き寄せ体質なことを現しています。
互いに自分の相手でないとダメだと明確にしているところが分かりやすく描かれています。
双子漫画のあるある展開「どっちにするの?」が一切ないのがいいです。
未散ソノ先生はとにかく作品ごとに業種を変えてきます。
今回ですと市議会議員秘書、犬ブログ更新のみのニート、飲食店経営、飲食店員といった具合ですが、他には公務員だったり添い寝会社だったりととにかく仕事がよく出てくる漫画なんですよね。
未散先生は絵柄が独特で、一番気になるのは吹き出しの形です。
なぜその形なのかと気になるのですが、初期作品から今も変わらないのでこの形が好きなんだと思います。
細くて繊細な線で描かれた世界です。
言葉のやりとりがこちらも独特。
コメディテイストの部分の突っ込みに「え?」と思う事もしばしば。
でも、その妙な味がたまらなく惹きつけられる理由です。
巻末の描き下ろしまんがではW双子が生い立ちを話しながらそれぞれの性格を端的に説明しています。
同じ顔だからって、どっちでもいいわけではない。
ちゃんと選んで、必要なところに落ち着いている。
そこがしっかりと伝わる作品です。
双子好きな方にもオススメしたい作品です!
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