メタモルフォーゼの縁側1巻(鶴谷香央理先生)のネタバレと感想を書かせていただきました!

メタモルフォーゼの縁側1巻あらすじ(ネタバレ注意)

もうすぐ75歳の誕生日。

もうすぐ亡くなった夫の3回忌。

市野井雪さんは自宅で書道教室を開き、寂しさからは少し離れたところで暮らしていました。

しかし時折ふっとこみ上げるものがないわけではなくて。

夏のある日、日差しから逃げるように入った書店でBLコミック「君のことだけ見ていたい」に出会います。

そして、この書店でアルバイトをしていた佐山うららとも出会います。

うららはBL含めたマンガが好きな女子高生。

しかしなかなか好きなマンガの話を誰かとしたことがありません。

社交性のなさに悩んでいたのです。

そんなふたりが出会い、歳の離れたBLコミックファンとして友だちになります。

カフェでお茶をしたり、うららからオススメの作品を借りたり。

貸した作品の中には性的な場面があるものもありましたが、うららの心配をヨソに市野井さんはBL作品の世界にハマっていきます。

うららには紡という幼馴染の男の子がいて、よくマンガの貸し借りをしています。

彼の彼女はそれがちょっとヤキモチの対象になっている様子です。

市野井さんとうららの友情が芽生えはじめたある日、「君のことだけ見ていたい」の作者であるコメダ優が池袋で開催される同人誌即売会に参加することに!

市野井さんを誘うか悩むうらら。

歳の離れたふたりは一緒にイベントに行くのでしょうか……

メタモルフォーゼの縁側1巻を読んだ感想

腐女子モノってテンションが高かったり、サークルもの学生の創作ものというイメージがありましたが、この作品はそのイメージとはかなり違いました。

繊細なタッチで市野井さんとうららの出会いが描かれていて、小説を読んでいるかのような空気感のある作品でした。

旦那さんを亡くされた市野井さんは悲しみに暮れるでもなく「普通に」暮らされていて。

でもふっと寂しさが顔を出すような描写がちくっと胸を刺します。

うららの性格も引っ込み思案ではあるものの、ドライで嫌味が無く、「好きなコトを語るのがちょっと恥ずかしい」というのが一見落ち着いて精神的に大人っぽく見えるのに10代らしく感じられて応援したくなります。

ふたりの出会いのはじまる書店でのやり取りも微笑ましい。

嬉しくて思わず特売のぶどう(独り暮らしでは食べ切れない量で断念していたもの)を買いに帰ってしまうところなんて、可愛らしくて。うららへの接し方、距離感も配慮や思いやりが感じられて素敵なご婦人だなぁと読んでいてほっこりしました。

それに応えるうららも、思いやりのある素敵な女の子です。

同じものを好きなふたりの交流には、本当のところで歳の差はあまり関係ないのかもしれません。

ふたりのこれからの交流が気になる1巻でした。

 

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