私の夫は冷凍庫に眠っているを読んだ感想とあらすじ、ネタバレを書いてみました!

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私の夫は冷凍庫に眠っているあらすじ

それはある祭りの晩でした……

夏奈は夫を殺害してしまいます。

遠くから流れる楽しそうな曲につられ、よいよいと呟きながら、やっと暴力の日々から解放されたと安堵し、夫・亮の死体の傍で静かに喜びに打ち震えていました。

結婚してからずっと今日まで、いわれなき暴力を受け続け、殺害に至るまでに葛藤はあるも、殺意が勝ってしまい、ただ冷静に彼を殺す手筈を整え、そして今日無事に殺害に成功したのです。

心療内科で貰った薬を使い、ビールに混ぜて亮を昏倒させ、電気コードで首を絞め殺したと、意外にあっけなく死んだと、拍子抜けながら夏奈は片づけを始めていきます。

彼が食べていた唐揚げは異臭を放ち、すぐに腐ると嫌な思いをしながらごみ箱に捨てる中、死体もすぐに異臭がしてしまうと気づいた夏奈は、慌てて庭に埋めようとするも、今日は夏祭りで人通りが多いと気づき、遺体の処分に悩んでしまいます。

すぐに異臭を放ち、周囲に気づかれてしまうと、焦る夏奈。

そんな彼女の脳裏に、ある妙案が思いつきます。

それは、庭の物置にしまった祖父の形見である業務用の冷蔵庫でした。

まだ自分が幼い頃に、遊びに来た時に、キンキンに冷えたアイスキャンディをくれた事を思い出し、物置に今もしまわれていたそれを動かし、重たい死体をシーツに包んで引きずり運びながら、冷蔵庫に放り込み、とりあえずに死体を隠す事に成功した夏奈。

愛情はあるも、憎しみが勝り、殺してしまったと、夫の殺害を受け入れながら、彼女はその日を喜びに満たしていました。

でも翌日に、殺した筈の亮が、何食わぬ顔で目覚め、そして普通に生活していたのです。

殺しそこなったのかと、物置を確認すると、確かに死体はそこにあり、亮は死んでいたのです。

亮が2人と、困惑する夏奈。

何もわからぬまま、もう一人の亮と過ごす事となる彼女の異様なる日常が始まっていきます。

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私の夫は冷凍庫に眠っている見どころ

殺した筈の夫が生きていたと、異様なる日常へと迷い込んでしまう夏奈を主軸に描かれていく本作はサイコサスペンスの要因を含み、夏奈の心を蝕んでいく愛憎の入り混じる、狂気の物語として、過去と未来を紡いでいく内容で進んでいきます。

殺した筈の亮が、翌朝に何も無かったように起き、生きていたと、異様な日常へと迷い込んでいく事で物語は紡がれていきます。

確かに冷蔵庫に死体はあるのに、何故に夫は生きているのかと、ありえない異様なる現状に戸惑いながらも、もう一人の亮と生活を続けていく夏奈の日常。

それは望むべき幸せな日々で、穏やかな平穏なる日常と、渇望して望んでいた筈の想い描いていた幸せな日々だったのです。

暴力を振るわない夫と、殴られない、罵倒されない、何かされるかと怯える事のない、そんな日々が、夏奈の心をゆっくりと蝕んでいき、冷蔵庫に隠した亮が、自分を優しくしてくれる亮に見つかってしまえば、どうなってしまうのかと恐怖に駆られて行きます。

また馴れ馴れしく自分の事を詮索するミステリー作家の中年女性の孔雀と、この人と幸せになれるかもしれなかったと想いを寄せていた、亮の会社の同僚の男性の蒲田とも関わり、もし亮の死が露見してしまえばと恐怖はさらに増していき、夏奈の心は異様な歪みへと歪さを増していき、異常な行動をとってしまうと、猟奇的な感情を起因させていく彼女の変容していく感情が最大の見せ場ともなっており、誰かに自分の悪事がバレてしまう恐怖感と、殺害してしまった罪悪の異様性を際立たせてくれてもいます。

そして本作を通して紡がれていくテーマは、男女の愛憎であり、夏奈は夫である亮を何故に殺してしまったのかと、そして彼を本当に愛していたのかと想い直すなど、夫への感情に終始悩まされてしまう部分に、この物語の本質が隠れてもいます。

天使の様に優しい時と、悪魔の様に酷い時の二面性のある亮への想いに戸惑い、結果として亮を愛していたのかと、それとも憎んでいたのかと、どちらの感情を抱きながら、亮という存在に悩まされてしまう夏奈。

殺した程に憎んでいた筈なのに、殺した後でも生きている亮に、恋慕みたく想いを抱いている夏奈は、憎悪と愛情に葛藤しながらも、報復を試み、慈愛に包まれてしまうと、憎悪の愛情に苦しんでいきます、

彼女はもう一人の亮の事を、どんな風に受け入れていくのかと、壊れてしまった夏奈の心が、どんな結末を迎え、物語はどんな終局を迎えていくのかと、再生と破滅を両方に抱えた内容は必見ともなっています。

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私の夫は冷凍庫に眠っている感想

ヒロインの夏奈を中心に描かれていく、彼女が精神を病み、そして病んだ精神のままで自分を新しく構成させ、再生させていくと、ある種の成長を垣間見る事の出来る物語となる今作は、日常に潜む愛憎のサイコサスペンスとして楽しめる内容にまとまっています。

夏奈は言うなれば、夢見る少女であり、恋愛に対しての理想が強すぎるヒロインとして、この物語を乱雑に紡いでいきます。

偶然に雨の日に出逢った亮に、運命的な出逢いを感じたと妄信的に信じ、そのまま付き合い結婚と、ドラマのヒロインとなった感覚に捕らわれ、相手の裏の本質を見据えずに伴侶としてしまう彼女。

実に軽はずみな行動をしてしまい、その結果として亮の裏側を知らず、結婚後に衝動的な暴力を受け、意味も無くなじられると、奴隷みたいな扱いを受け、凄惨な日々に自分を追い込んでしまうと、恋愛の現実の一面をまるで見ない稚拙な人間として苦労していく事になります。

そして結果殺害し、その後に殺した筈の夫が生きていたと、劇中で様々な苦難に直面し、苦悩する事となります。

また夫の亮も二面性のある悪意と善意の持ち主として描かれ、本作のミステリー性を際立たせる異様なポジションを確立しています。

確かに死んだ筈なのにと、もしかして幽霊なのか、それとも、もっと別の存在なのかと、神秘性と異様性を両方に持ち、また劇中の彼の振る舞いが何故にこんなにも変化し、また性格も変容してしまうのかと、奇妙な謎を残しながら周囲の印象を様々に変えてしまう異質な演出を果たす男性として登場します。

夏奈と亮。

互いに稚拙な恋愛感情を持ち、また異様な存在感と行動力で状況を悪化させ、またその場しのぎの衝動的な感情に動く、夏奈と亮の二人は言うなれば似た者同士であり、互いにバランスの取れた夫婦でもあるのです。

それが一人の亮の死によって壊され、そして生きていたもう一人の亮によって再生していくと、二人の愛情の再構築が、この作品のもう一つの見どころともなっています。

憎しみが愛情を勝ると夏奈は亮を殺した際に呟くも、愛情が憎しみを上書きしてしまう事もあり、常に心の内は変化していくのだと、感情の変化に左右されながら、殺した亮の事を見詰め直していく夏奈の雰囲気は、純粋な恋愛感情にも見えますが、その感情は言うなれば異常な狂気で紡がれており、死を介しての変化ゆえに歪な感情としての恋愛が描かれていく今作の内容は、愛憎劇の新しい演出を見せてくれる作品とも言えます。

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