醜い私があなたになるまでを1巻から最新刊まで読んだ感想、あらすじ、見どころをご紹介します。
醜い私があなたになるまであらすじ
瀬川夢子は自分の人生に絶望を覚えていました……
自己評価は常に低く、見た目も容姿も地味で華やかさもなく、自分はこの世の中で底辺のブスな女なのだと思っていました。
会社の上司にも事あるごとに馬鹿にされ、友達もいなければ彼氏もいない。
才能もなければお金もない。
完全に詰んでいる人生と望みの無い人生を惰性的に生きていた彼女は、唯一の楽しみをSNSに依存していました。
自分とはまるで違う、まるでドラマのヒロインみたくに毎日が華やか充実しており、大勢の人に慕われ尊敬もされ、常に輝いた生き方をするショップ店員のAYAに憧れを抱いていました。
今日も見てみれば彼女のSNSは多くの高評価を貰い、大勢の人に支持されていました。
自分も彼女の様になれればと考えてしまいますが、所詮は違う世界の住人なのだと諦めていた最中、夢子はある事を知ります。
それはAYAが告知でスタッフを募集している事でした。
憧れのAYAの下で働く事が出来ると、今勤めている会社を辞め、彼女の下で働くのだと面接へと訪れたのですが、憧れのAYAの正体を知ってしまいます。
それはかつて自分を執拗にイジメていた女子・堀川絢だったのです。
かつての恐怖を思い出してしまう夢子でしたが、絢はそんな夢子の事を気遣い、過去のイジメを謝罪ながら自分の下で働く事を進めてきます。
かつての絢とは思えない、憧れを抱いたAYAの優しさに触れ、就職を決めてしまう夢子。
しかし彼女は知りません。
AYAの本性は何も変わらず、人をあざけ笑い晒して陥れ、優越感に浸る絢のままであるという事に。
夢子は無事でいられるのでしょうか？
醜い私があなたになるまで見どころ
自分に自信が持てないと、人生をすっかりと諦めていたヒロイン・瀬川夢子。
そんな彼女が密かに憧れていたSNSの人気アパレルショップの店長兼インフルエンサーであるAYAは、因縁の相手であるイジメの主犯・堀川絢と、物語は波乱の展開を迎えていく事となります。
かつて大切な時期である学生時代を無茶苦茶にした相手である絢が、まさか憧れていたAYAだったとはと夢にも思わず、衝撃を受けてしまう夢子。
かつてのトラウマを思い出してしまうのですが、夢子の動揺とは裏腹に意外な優しさを魅せてくる絢。
イジメていた事を素直に詫びて、自分のところで働かないかと誘いをかけてくるなど、過去のイジメをしていた頃の彼女とは違うのだと、絢の事を信じてしまう夢子。
正直に言って人が良すぎてしまいます。
何故なら絢は夢子を使い、彼女に恥をかかせよう悪意を持っていたのです。
周りからおだてられ、すっかりと勝ち組なのだと、思う事を全て成功すると信じて疑わない絢。
そんな中でかつてのイジメていた夢子の登場は、ちょうどいい退屈しのぎなのだと、彼女を騙していたのです。
そして当然の様にアパレル業界ならではのSNSを使った陰湿なイジメをしてくる絢。
高い服を無理矢理に購入させられてしまい、労働基準法を無視した仕事をさせるなど、夢子は絢に酷い目にあわされてしまいます。
パワハラに近い激務や、また無茶苦茶な命令などで夢子をこき使い、彼女を追い詰め、ついには人気インフルエンサーの立場を使い、彼女を笑い者にしようとします。
ですが夢子は折れる事なく、絢の陰湿なイジメに耐えて、慣れないアパレル業の仕事を熟していき、最初は笑い者にされていましたが、周囲からの信頼を地道に努力し勝ち取るなど成功を収め、絢の思惑とは違う方向へと進んでしまいます。
自分がかつて誰にも認められなかった事や、また絢に再び人生を狂わされてたまるかと、開き直るかのように立ち向かう彼女のしたたかな強さが、性悪な絢を逆に追い詰めていく事になるのですが、絢の激情に任せた攻撃に晒されてしまいます。
自分が勝ち組として信じて疑わない絢にとって、夢子の勝算は許されるものではありませんでした。
自分を応援してくれるフォロアー達も、所詮は奴隷扱いと非常に精神が歪んでおり、また夢子の事を格下として馬鹿にしているなど、実に救いようがありません。
胸クソの悪いクソ女な絢に徹底としてイジメられながらも、逆転をするべく耐えて乗り越えようとする夢子。
そんな彼女の輝かしい逆転劇が最大の見どころです！
醜い私があなたになるまで感想
「醜い私があなたになるまで」は、前田アラン先生による女性漫画としてぶんか社より連載されている作品です。
内容は現在で最も利用されているSNSを題材にした漫画作品で、フォロアーや承認欲求を求めてやまない、ヒロイン中毒な電波で痛い女性達の転落劇を痛快な内容で描かれています。
人気があるとSNSで多くの支持を受けているが故に、高慢になってしまい、他者を平然とないがしろにしては、弄ぶかのようにイジメつくす悪女達。
普通ならばやる筈がない行為を平然と行い、ましてそれが犯罪行動になっているにも関わらず、自分は何をしても許されるのだからと、倫理性や道徳性など欠如し、徹底的な程にヒロインを苦しめる悪女達。
見ていて実に胸クソの悪い程に最悪な性格をした、そんな悪女達に負けじと立ち向かうヒロイン達の奮闘が、本作の痛快な面白さを引き立たせてくれています。
普通ならば挫けてしまい、その場から逃げたくなる様な目にあわされながらも、負けてたまるかと反撃を開始していくヒロイン達。
自分勝手な悪女に人生を狂わされてたまるかと、奮闘してく姿が実に痛快と楽しめます。
そして自分よりも格下と負け組だと見下していた筈のヒロインに、何時の間にかに仕事も評価も追い抜かれてしまい、憤慨した故に自身を見失い、そのまま破滅へと追い込まれていく悪女と、自業自得の転落劇も本編の見どころの一つとして面白く仕上がっています。
そしてじわじわと社会的な地位や仕事での立場を失う様は、悪女の転落と崩落とも言うべき内容にまとまり、ヒロインを散々とイジメ尽くしていた悪女に最悪の天罰がくだり、見るも無残に全てを失い人生を終了させてしまう結末は、溜飲が下がる気持ち良さもあります。
本作を一通りに見て感じる面白さは、現実にこんな女が存在しているだろうとする恐怖感がリアルに描かれている部分にもあります。
漫画だけの存在では無く、SNSに固執しているが故に、私生活を乱してしまう人も多く、中には漫画顔負けな行動を行い、あまつさえ犯罪まで犯してしまうSNS中毒者がいると、現在も深刻な社会問題にもなっており、本作はそんなリアルな恐ろしさが感じられます。
現実にこんな女性が傍にいたら、もし、自分に向かって襲い掛かってきたらと、リアルな恐怖感を煽り、そして読者をより深くに物語の中に引き込む内容は、下手なホラーよりも面白く仕上がり、呪いや悪霊よりも恐ろしい電波な悪女の恐怖が如実に伝わります。
もし出逢ったらと、予習できる作品かもしれませんね。
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