裏アカ破滅記念日を最新刊まで読んだ感想とネタバレ、見どころをご紹介したいと思います。
裏アカ破滅記念日あらすじ
SNSにハマり込んでいく現代の若者達。
男子、女子に問わずに多くの人から高評価される事を望み、もてはやされる事を望むが故に、見落としてしまう人生の落とし穴。
誰もそれに気づいてはおらず、気づいた時は、もう取り返しのつかない事態に追い込まれてしまいます。
キラキラ女子として多くの人から高人気を得ていたマリエ。
でもいつも綺麗ごとばかりではストレスが溜まるだけと、裏アカを使って自分よりも人気な相手を陥れ、嫌な事を書き連ねストレス発散をしていた矢先、うっかりとミスをしてしまう彼女。
表アカに呟いてしまい、それをパシリの陰キャラ・田口愛里に知られてしまい、弱みを握られた彼女は、無理難題を要求されてしまいます。
自分を苦しめていたマリエを陥れ、優越感に浸る愛里。
でも彼女もマリエと同じ裏アカを持ち、卑猥なる写真を写して投稿し、それを見て大いに騒ぐ男達の反応を喜んでいたのですが、それを委員長の男子・橋本正に知られてしまいます。
裏アカの卑猥な写真をバラされたくなければと、身体を要求されてしまい、性処理を要求されてしまいます。
自分を苦しめる正に復讐する為に、彼の弱みを調べ、ある事実に気づき、それをSNSに拡散し復讐を果たそうとする彼女。
多くの人を狂わせてしまう破滅劇。
裏アカを使い、翻弄されて狂わされていく愛憎の渦巻く転落の先に、救いはあるのでしょうか?
裏アカ破滅記念日見どころ
SNSを利用していた筈が、何時の間にか思わぬことになってしまい、知らない内に破滅へと追い込まれてしまうと、未成年者の人生破綻をリアルに描いた「裏アカ破滅記念日」の見どころをまとめていきたいと思います。
まず物語の冒頭に登場するマリエ。
彼女はキラキラ女子としてSNSの有名人として、クラスのカーストトップと、彼女は自分は勝ち組だと自負していますが、露骨な雰囲気を微塵とも見せず、猫を被って周囲に好感を振りまいていると、実に腹黒い女子でもあります。
しかしそんな日々を続けていたらストレスが溜まるのは勿論のこと。
マリエはストレス発散に裏アカを使って、自分の邪魔になる相手や、またムカつく相手の悪口を呟いて発散していると、実にえげつない行為をしていたのです。
それがうっかりと表アカの方で呟いてしまうと、間抜けな事をしてしまいます。
しかもそれがイジメていた相手である愛里に知られてしまい、彼女に復讐されてしまうと、実に因果応報な仕返しを喰らわされる事となるのですが、その愛里にも問題があったのです。
愛里は一見すればスクールカーストの最下位にいる地味系の女子なのですが、彼女もまたマリエと同じ裏アカを持っており、エロ画像の投稿を行い、その画像を見て興奮する男を馬鹿にして楽しむと、彼女もまた救いようのない人間として登場します。
マリエに今までひどいイジメを受けていた経緯は解かるのですが、今までの慰謝料に大金を持って来いと平気で言い放つと、彼女の内面も意外におぞましいものがあります。
そんな中でお金を稼がなければいけないと、追い詰められてしまう事になるのですが、因果は連鎖するとは言ったもので、今度は愛里が追い詰められてしまいます。
クラス委員長で優等生な男子・正。
イケメン男子でクラスの女子からも人気のある彼に、エロ画像投稿がバレてしまうと、愛里も裏アカを知られてしまいます。
でも正なら何もしないと、もしかしたらと、甘いラブストーリーな展開を期待をするも、現実はそんなには甘くはなく、エロ画像投稿をネタに身体を強要されてしまうと、性処理の脅しを受けてしまいます。
マリエと同じように弱みを握られてしまい、想いを寄せていた筈の男子に弄ばれてしまうと、連鎖していく破滅劇に、本作の見どころがあります。
徹底して人生が狂わされてしまい、当たり前の日常が犯されていく様は、哀れながらも爽快な気持ちになってしまうと、因果が巡り巡って帰ってきた顛末に面白さがあります。
本性が変態男な正も、最後は見事な破滅劇を迎えてしまうと、救いは無く、来るべき結末を迎えただけの顛末を楽しめる部分に本作の見どころがあります。
裏アカ破滅記念日感想
SNSと多くの閲覧者に自分を評価してもらおうと投稿し呟き、時には裏アカで別人になってストレスを発散すると、現代社会の闇を如実に描いた「裏アカ破滅記念日」は、オムニバス形式の漫画として描かれています。
作者は漫画家の桜井美也先生と、ダークな社会問題と女性と男性の愛憎劇のドロドロなドラマなどを手掛ける事に評価が高く、未成年者のSNS問題を現実感のある内容でまとめている部分に本作の面白さがあります。
本作のテーマになっているのは、SNSの裏アカと、時にニュースで報道される社会問題。
自分とは違う別人となり、他人を陥れる誹謗中傷やストレス発散の犯罪行為まがい行為をしてしまうと、にわかに信じられない時事の問題をテーマに、オムニバス形式で物語は描かれていきます。
SNSの裏アカを利用し、溜めていたストレスや鬱憤を晴らす事にハマり込んでしまい、破滅へと追い込まれてしまう男子・女子のそれぞれの物語は、思わぬ形で躓いてしまい、そのまま抜け出せない落とし穴へと転落してしまう短編の破滅劇。
各巻ごとに登場する短編は一つの物語として組み込まれ、登場人物達がそれぞれに繋がっており、最終的に一つの結末として描かれていく物語の内容は、実に作り込まれたドラマ性に演出されています。
主人公視点で描かれ、それに関わった登場人物達。
ただの脇役かと思っていた相手が次の話では主人公となり、結局は同じ破滅を迎えてしまうと、それぞれのキャラクターに物語が送付され、連鎖していくSNSの裏アカに関わった人間の顛末が見どころとなります。
人には表に出せない裏の顔があると言いますが、それが炙り出され、またそれが探し出されてしまうと、便利なツールの筈が、まさか人生を壊してしまうと、思い上がっていたが故に堕ちてしまう落とし穴。
死ぬよりも恐ろしく社会的に抹殺されてしまう、安易な行動による破滅劇は、社会性のあるホラー劇とも言えます。
現代の情報社会で表アカウントに裏アカウントは当たり前と風潮はあるも、それがどんな結末をもたらしてしまい、そして最終的にどんな終焉を迎えるのかと、華やかに生きていた筈の主人公達が転落する様は、自分も気を付けなければと考えてしまいます。
軽はずみの行為で、思わぬ結果になってしまうと、それぞれに隠していた筈の裏の顔が暴露され、自分の秘めた陰鬱な想いが露見されてしまう事が、どれだけに恐ろしく、そして破滅へと通じていくのかと、本作は救いなどは無く露骨な顛末として物語られていきます。
自分もこうなってしまうのではと、身近な恐怖を感じられる、そんな作品です。
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