月にむら雲、花にあらしのネタバレ感想です。

作者名
こめり
掲載雑誌
arca comic
連載終了の全巻数
1巻
連載中の既刊巻

月にむら雲、花にあらしネタバレ

四季を彩るはんなり京都。

美大の同級生だった美術教師・三木と日本画家・鶴間は12年来の友人。

そして10年間、三木は鶴間に告白され続けていますが、のらりくらりとかわして友人を続けていました。

しかしついに鶴間から、もう辛いから二度と部屋に来るなと言われてしまいます。

更に鶴間がお見合いをしようとし、ショックを受ける三木。

三木は付き合ったら別れが来るから嫌だったことを告白します。

そんな三木に対し、「末永く付き合えって言ってんのに…」と頭を抱える鶴間。

そしてあっさりと付き合うことになりました。

付き合ったからといって特別なことはありませんが、三木は個展を開き堂々とした姿の鶴間に惚れ惚れしたり、パンフレットの鶴間がやたらとかっこよく見えたり、昔の彼女が気になったり…と10年という長い月日を埋めるかのように惚れ込んでいきます。

鶴間は大切にしようとおもいながらも我慢できず、少々がっつき気味。

雑には抱きたくない。

初めては大切にしようと思いつつ、作業場の床でしてしまう程…。

軽口を叩きつつも二人の長い歳月をゆっくり埋めていく様子が丁寧に描かれています。日常系BLのスペシャリスト・こめり先生がおくる、三十路男達の10年愛です。

月にむら雲、花にあらし感想

決して派手さはありませんが、リアルで独特なゆるい世界観が素敵な作品です。

ごく普通の日常が繊細に描かれていて、大学の授業風景では懐かしさすら感じられました。

二人とも美大出身で日本画家という設定からか、日本画の説明や画材知識も豊富に描かれています。三木のボンボン具合もリアルです。

付き合ってからは露骨にがっつく鶴間ですが、なんせ10年という月日が邪魔をしてうまく取り繕えません。

初めての時は大切に…と思いながらもがっついてしまう場面や、床が痛かったり、賢者モードが来るといったリアルな感じも作品の雰囲気にぴったりあっています。

特別大きい事件が起きることはなく、ゆったりとした雰囲気のまま親友の延長線上から恋人へ。

恋人になってからも軽口を叩き合いながらも妬いたり照れたり。

10年前から好きだった鶴間と、好きを意識し始めた三木のテンションの違いも見どころです。

好きな鶴間を自慢したかった、という理由で生徒を鶴間のアトリエに連れてきてしまう場面が可愛い!

10年という長い時間をゆっくり埋めていく様子に、二人の自然なやり取りが続いていくことを想像できて穏やかな気持ちになれました。

ゆったりした気分になりたいときや癒されたい時にお勧めです。

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