空に輝く星のような存在を手中に入れていいのだろうか
つらなるステラ 高野 ひと深 on BLUE comics 祥伝社に
つらなるステラあらすじ
アイドルグループADORE5の元メンバーだった三苫蒼馬は現在演技派俳優として売れている。
そんな彼の秘密はこっそりとインスタのアカウントを作ったことだ。
理由は、元いたADORE5の森高央司のインスタにハートを飛ばすため。
誰にも言えない想いを抱え、蒼馬は仕事を続けている。
ある日、彼が主演する映画の記者会見が開かれ、そこで映画意外の質問が出た。
内容はADORE5が解散するかもしれないという噂があるが蒼馬は知っているのかというものだった。
ネットニュースを見た蒼馬はそこに書かれた内容を確認すべくADORE5に連絡を取ろうとする。
連絡しようとしたその場に央司が現れ何故か蒼馬の家にやってくる。
状況が飲み込めない蒼馬だったが、テレビから解散の話題が聞こえた途端央司はテレビを消してしまう。
央司は別のものを見ようと手に取ったものはADORE5デビュー2年目のライブ映像。
その映像を見ながら、昔話をしつつ蒼馬は央司にもし解散したらどうするのかと切りだす。
央司の口からはアイドルがゴールだから考えていないとの返事が返って来た。
央司の言葉を聞き、蒼馬は自分がアイドルだった頃に見ていた央司の姿を思い描く。
そのまま2人は眠ることになるが、蒼馬が異変を感じ目を開くとそこには自分の体に乗り上げる央司がいた。
そして彼は自分のことをすきだっただろう、と言い蒼馬に襲いかかりー…。
つらなるステラ感想
燃え落ちることなんて永遠に来ない
現役アイドルとそのアイドルグループから脱退し俳優という組み合わせの話です。
アイドルと俳優、それだけなら他にもあるのですがここで重要なのはアイドルという職業に対する想い。
画面からその想いがヒシヒシと伝わってくる感じが凄いんですよね。
同じグループだったのに、実は推しという設定も良いです。
また、アイドルである央司の矜持が見えるところがたまらないんですよね。
生半可な気持ちでアイドルをしていない。
そんな想いが台詞の端々から感じとれるのがこの作品の魅力なんだと思います。
彼の生きざまにファンはずっとついていきたいと思うし、央司は夢を見させてくれているんだろうなと感じるところです。
高野先生といえば『私の少年』が有名だと思うのですが、こちらの作品でも少年が綺麗に描かれていました。
先生の絵は繊細な線なので壊れそうな少年などを描くと本当に良いんですよね。
今回、アイドルの話を描いてほしいと担当さんが勧めてきたそうですが、先生の絵柄に合っていて良かったです。
また、先生自身アイドルが好きなので、推しが描けると喜んだものの好きすぎて描けない。
アイドルは神なので信仰心が大きな壁となるというあとがきが好きです。
同時収録は子供の頃の抜き合いから今も関係が続く『MILK』
偶然久し振りに同級生に出逢うことで始まる『逃げなずむならよる』
高校時代の苦い思い出が軸の『レユニオン・ドラマの場合』
特徴的な笑い声の話『おとなりから笑い声』
いろいろなタイプの話になっています。
ぜひ、『つらなるステラ』を読んで高野先生のアイドル像や熱量などを感じてみてください。
その想いに圧倒される作品となっていてお勧めですよ！
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