編むのは毛糸だけでなく、恋も
サヨナラに編むは、 梅松町江 LINX COLLECTION BIRZ COMICS 幻冬舎コミックス
サヨナラに編むは、あらすじ
外資系企業に勤めるホーキンス柊真は趣味がなく、新たなことを始めてみようと思う。
書店で何を始めようかと迷っている時、祖父が編み物をしていたことを思い出し一冊の本を手に取る。
そして著者の写真を見て、デザインだけでなく本人も素敵だと編み物を始めることを決意する。
だが、実践してみるとなかなか上手くいかず、これは習った方が良いと思い著者である糸瀬雅巳の教室に申し込む。
名前からハーフだと思っていたと言われ、父がイギリスだと答えるホーキンス。
イギリスは編み物の国だと言われ、ますます糸瀬に惹かれるホーキンスだった。
糸瀬に惹かれるも、彼の指には結婚指輪があった。
惹かれていただけに既婚者なことを残念に思うホーキンス。
ある日二人で食事をしている時にホーキンスは同性愛者だということを告げる。
すると糸瀬は自分とは違う性が好きなだけだろうと理解を示す。
しかし、その言葉にホーキンスは胸の痛みを感じる。
糸瀬の家で片方だけの靴下を見つける。
それは糸瀬の妻が彼に頼んだものだった。
彼女はすでに亡くなっておりもう片方を編んでもその靴下を履いてくれる人はいないと言う糸瀬。
外せない指輪とともに、糸瀬の胸にはまだ妻がいることを感じるホーキンスだった。
好きな人には笑ってほしい、それがお節介だとしても
サヨナラに編むは、感想
大好きだった妻を亡くし、未だにふっきる事が出来ない糸瀬。
この糸瀬をなんとか前を向いてほしいと願う男性の話なんですが、編み物をテーマにしているせいかほっこり感があり良かったです。
大切な人との思い出をどのように昇華していくか。
この感情は恋愛に限らずいろんなところに当てはまると思います。
この作品では、たまたま恋愛だった、というだけです。
でも、ホーキンスの真っ直ぐな愛情をずっと向けられていく内に徐々に糸瀬の気持ちが解けていき、その瞬間が良かったと思いました。
好きな人を永遠に想い続けることはもちろん、美しいです。
ですが、閉じこもってしまうのはまた違うと思うのです。
ホーキンスが良い青年で本当に良かったです。
歳の差ものでもあるのですが、前を向いて欲しいと言い諭す側は年下のホーキンスです。
そしてホーキンスは自分が誉められても決して否定をせずにお礼を言い、糸瀬に対しても誉め続けます。
糸瀬に自分の価値を認めてほしいから自分なんか、とは言わないでほしいと言うのも良かったです。
編み物をテーマにした理由は作者である梅松先生が好きだから、ということでした。
好きだからこそ伝わるものが感じられる作品です。
日常を丁寧に描いている作品なので、ほっこりとしたい時に読みたいです。
かきおろしも可愛い作品でオススメです。
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