どんな願いも叶える男。

拒まない男 三月 えみ BAMBOO COMICS REIJIN selection 竹書房

拒まない男あらすじ

白石律はホテルコンシェルジュ。

そして、異名は拒まない男。

その名の通り、客の願いを何でも叶えてしまう。

律と仲の良い衆議院議員の中田を調査しているのは探偵の黒瀬望海。

探偵である彼は田中の浮気調査をしているが、疑わしい人物はいない。

だが、もし相手が律だとしたら厄介だと思っていた。

律はホテルで働く者として決して客の情報を流すことはないからだ。

そんな律にはもう一つの顔があった。

それは、望海の助手だった。

毎回変装をして働く律は有能で、望海の調査時間は減った。

今回の対象者である中田を駐車場で張るも、ここはホテルの従業員しか使用しないと言う律。

相手がホテルの従業員かもしれないだろう、と暗に律を示せば自分はしていないと返す。

それならば、中田の部屋に行く理由、そして泣いている理由は何だと問い詰めるも答えない律に情報を渡せないならこの件からは外れろと言う望海。

実は望海は律のことが好きだった。

自分が大切にしていたハムスターの死を一緒に悲しんでくれたからだ。

だからこそ、余計に律の態度が気になりつい客の願いを拒まないなら自分とも寝れるだろうと言いだす。

嫌がらせのような内容だが、律は寝れると言いだす。

そして実は望海のことが好きだと言うも、信じてもらえない。

そこに中田の秘書がやってくる。

駐車場で盛るのはよせ、同性愛者でも出来る場所なら律が知っていると言いだす。

望海に隠れているため律に気付かないまま話し続ける。

律は男に片想い中で中田に相談をしていているくらいだと言い放つ。

泣いていた理由は本当に望海への想いであったことに驚愕する望海。

だが、これで二人は両想いとなったのだが、実は律には秘密があったのだ―…。

どんな願いも叶えるんじゃない、貴方だから。

拒まない男感想

読み進めていく内に一筋縄ではいかない内容に驚かされました。

片想い、両親との確執とこれだけで済まないところがなんとも。

ハムスターが死んだことで悲しむ望海を慰める律。

気持ちに寄りそって、望海の願いを叶えるなんて、好きになってしまいますよね。

それなのに、両想いになって幸せいっぱいで終わらないんですよね。

律が読めなさ過ぎて、望海は混乱し通しです。
でも、好きだからこそ悩むんですよね。

簡単に無くせる存在じゃないから、律が何を考えているのか必死に探る望海。

そこから見える世界は思った以上のもので、望海だけでなくこちらも驚く展開になっていきます。

そして、意外とキーパーソンの中田議員。

この話では優しさっていうのは本当に難しいと感じました。

その人の為を思ってしていることが結果、その人の傷を増やすこともあります。

中田議員の優しさは罪つくりだと思いました。

三月先生の絵は綺麗なので色っぽい。

でも、今回は行為自体も多いです。

ここも「拒まない」わけですね。

探偵の助手をする時は毎回変装するので色んな律が見られますし、また細かい設定に律の拘りを感じます。

思った以上に重い内容でしたが、綺麗にまとめられています。

この先どうなるのかな、と思うこともありますが恐らく二人なら大丈夫かなという雰囲気が出ています。

良い作品ですので、お勧めです。

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