昭和元禄落語心中3.4巻のネタバレと感想てす。

昭和元禄落語心中3〜4巻ネタバレ

二つ目の菊比古と初太郎は稼ぎがまだまだ少なく、先代八雲の家を出てからはふたり暮らしを始めました。

酒と吉原と遊び回っている初太郎と、慎ましく稽古に励む菊比古は相変わらず対照的でしたが、仲の良さも相変わらずでした。

どうやら菊比古はみよ吉と隠れて交際も始めた模様。

菊比古はさっぱりしたものですがみよ吉は彼の話す姿の美しさに心底惚れているようです。

しかし菊比古の方はツンとしていけずに振舞います。

菊比古、初太郎を中心に落語界は盛り上がっていき、ふたりは二つ目から真打ちに昇格。真打ちになったのを機に初太郎は「助六」を名乗り始めました。

「助六」とは彼の育ての親のような存在で、彼に落語を教えた、お笑い好きの寄合に集まる男が名乗っていた名前でした。

先代助六は今はもう亡く、どうやらふたりの師匠である「八雲」の更に先代の「八雲」に弟子入りをしていたそう。

その「助六」の名前をもらって今度は自分が「八雲」の名前を継ごうと、彼は考えていました。

菊比古も「八雲」名前に相応しいのは助六だと思っていたのですが、彼らの師匠の八雲やその周りの名人たちはそうは考えていませんでした。

助六は師匠に八雲を継ぎたいと言いますが、「八雲は菊比古に譲るつもりだ」と言われ言い合いになりなんとそのまま破門になってしまったのです。

破門になってからは菊比古が彼の出番の穴を埋めていましたが、助六は一向に戻らず、みよ吉のところに入り浸ります。

みよ吉もまた、落語家の外聞と彼女を天秤にかけた菊比古に振られてしまっていたのです。

ふたりが子どもをこさえ彼女の田舎へと逃げ延びている間に、師匠の奥様が、そして後を追うように師匠がこの世を去りました。

亡くなる前、師匠は菊比古に、自分は先代の助六から「八雲」の名前を奪ったから、息子同然の初太郎をこうして失うことになったのだと顛末を語りました。

師匠亡き後、みよ吉と助六を探し当てた菊比古。

喧嘩をして出ていったらしいみよ吉は別として、助六とふたりの愛娘小夏とひと時暮らします。

助六をまた東京で落語家にするべく、電車賃の為にふたりは田舎町で落語会をやることに。果たして落語会は成功し、助六は東京に戻ることが出来るのでしょうか。

昭和元禄落語心中3〜4巻感想

菊比古と助六の性格や落語のスタイルのコントラストがどんどん色濃くなってきました。

菊比古さんはどんどん奇麗になります。みよ吉が話している菊比古さんが好きなんて言っていますがすごくわかる。

高座のシーンが何とも色っぽいんです。

目線の淑やかさ、艶やかさが繊細に描かれています。

噺家の芝居だから「鹿芝居」、というお芝居を演る場面なんて特に美しい。

弁天小僧を演じる為にばっちり女形の化粧をした菊比古には、観客だけでなく読み手も目を奪われること間違いなしです。

対して助六さんも別な色気がたっぷりで。

こちらはワイルドさとかちょっとダメな雄っぽさを感じます。

女の子には弱いし金もあるだけ使って宵越しの金は持たないタイプで、ロクでもない男です。

なのになんだか憎めない。それどころか可笑しくて笑ってしまうような陽気さと、ふとした時に見せる弱さや真面目な顔に男の色気を感じずにはいられません。

こんな噺家さんたちが実際に居たら推すしかないのでは?毎日でも寄席に通って、同じ御贔屓さん同士でどっち派?なんて話がしたいです。

このふたりにずっと幸せでいてほしいのに、そこにみよ吉が加わることで歯車が狂っていきます。

助六を連れ戻しに来たあたりから、幸せそうな菊比古、助六、小夏に反してみよ吉がもう一波乱起こしそうな不穏さが立ち込めてきたので、続きが楽しみです。

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