昭和元禄落語心中5.6巻のネタバレと感想を書いてみました!
昭和元禄落語心中5〜6巻ネタバレ
菊比古と助六の二人会は、とある旅館で行われました。
前座を努めた菊比古は大いに会場をあたため、助六はそれに続きます。
彼がかけた噺は「芝浜」。
腕はいいが働きたくない魚屋の旦那とその妻の人情噺。みよ吉と暮らしたからこそかけられた噺でありました。
ブランクを感じさせない出来で、当の本人も大変満足そうでした。
菊比古もその姿を見て、これから東京に戻ることが当たり前に思えていた矢先、会場の旅館の女中が菊比古をファンだという客の一室に連れていきます。
そこにいたのは他でもないみよ吉。
彼女は菊比古は自分ひとりを迎えに来たのだと思い込み、挙句助六と小夏は置いていくなんて言うのです。
これには菊比古も「自分のせいだ」と頭を抱えます。
そこへ助六も加わり、今度は彼女がその気ならば自分は今度こそ真面目に働いて小夏と三人で生きていきたいと涙します。
それでは菊比古が来た意味がありません。
そうこう言い合っているとみよ吉が寄り掛かっていた窓枠が崩れ、窓の外へ落ちてしまいます。
助六は彼女を助けようとしましたが自分も落ち、咄嗟に手を出した菊比古が細腕でなんとか支えています。
そして助六が望むまま、ふたりは遥か下へと落ち、命を落としたのでした。
これが小夏の両親の死の顛末。
彼女はそれを菊比古、現八雲のせいだと思っていました。
月日はおよそ10年弱過ぎ、与太郎はいよいよ真打ちになろうとしています。
小夏はというと、子供を身篭って八雲の屋敷にまた世話になろうとしていました。
誰が聞いても彼女は父親の名前を言おうとしません。
それを見た与太郎は「自分が父親になる」と持ちかけ、ふたりは夫婦になります。与太郎は真打ちになるタイミングで、助六を自ら襲名。
真打ちになってから彼は「自分の落語とはなにか」と悩んでいました。
そんな時に作家の樋口と出会い、新作落語を作り始めます。
相変わらず相手の男の名前を割らない小夏の、その相手がかつて与太郎が籍をおいたヤクザの親分ではと思うことがあり、与太郎は親分の座敷に乗り込みます。
そして「あとで返してくれって言っても返さねぇ」と愛息子は自分の子なのだと啖呵を切りました。
啖呵を切ったことで、なんとなく彼は自分の落語とは、の答えの端を掴んだようです。
しかしまだ自分の落語は見つからないまま。
与太郎は自分の落語を見つけることが出来るのでしょうか。
昭和元禄落語心中5〜6巻感想
助六さんの最後が切なすぎる。
結局みよ吉も助六さんも菊比古に人生を狂わされたんだなぁと思いますが、菊比古はそれをどうこう出来なかった。
みよ吉と助六さんは似た者同士だった。素直そうなくせにわからず屋なところまでそっくりだから、ふたりはあの終わり方しか選ぶことが出来なかったことが切ない。
小夏は「あんたが来たから(ふたりは死んだ)」と言いますが、それを一番感じていたのは他ならぬ菊比古なんですよね……
憎まれ口ばかりだったかもしれませんが、義務感だけで小夏を育てることは出来なかったと思います。
表に出さないだけで、愛情はあったんだと。
現代に戻って、与太郎が登場するとパアッと話が明るくなりますね。
与太郎に癒やされます。
小夏が身篭った時はみよ吉の血がそうさせるのかと正直思ってしまいましたが、与太郎に救われましたね。
親分に啖呵を切る与太郎、本当にかっこよかった!
自分は馬鹿だと与太郎は言いますが、本当に馬鹿ならこんなふうに小夏や息子を守ってやることは出来ないと思うんです。
小夏には、みよ吉とは違う幸せな道を歩んでほしいですね。
余談ですが、親分が出てきたあたりで敵対する組として「椋鳥組」という言葉が出てくるんですが、雲田はるこ先生の別作品「新宿ラッキーホール」に登場するヤクザの敵対する組も、「椋鳥組」なんです。
もしかしてふたつの話は繋がっていたりするのでしょうか?
真相はわかりませんが、もしかしてと妄想が膨らみました。「落語心中」を読んだら、「新宿ラッキーホール」もオススメです。
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