白刃と黒牡丹のネタバレと感想を書いてみました。
作者名
ゆくえ萌葱
掲載雑誌
GUSH COMICS
連載終了の全巻数
２巻
連載中の既刊巻
白刃と黒牡丹ネタバレ
黒々組の若頭・黒井憲剛には産まれた時からずっと一緒に育ってきた幼馴染の弁護士・白樺刀麻。
刀麻は暇さえあれば憲剛に告白する上、気を引く為だけに結婚までしてしまう程、ぶっ飛んだ志向の持ち主です。
憲剛も小学生の頃から刀麻の事を想ってはいますが、近づけさせません。それは刀麻が堅気だから。近すぎると守れなくなるから。
そんな二人ですが、刀麻が黒々組の顧問弁護士になった事で事態は急変します。
砂川組と揉めた時に刀麻が傷を負ってしまいました。
大切な人が傷つく恐怖に慄く憲剛。
ついに刀麻を受け入れ、傍で見守る決心をします。
晴れて恋人同士となった二人。
それなりに満喫していましたが、刀麻は憲剛の優しさから、仕方なく折れたのでは…と気になっていました。
そこへ現れたのが憲剛の弟分のような存在だった紅尾組次期若頭・赤羽時也。
時也は憲剛の目の傷を作った原因を起こした人物なので、刀麻は面白くありません。
時也も刀麻が顧問弁護士を引き受けたことや憲剛とそれ以上の関係であることを知り、慕っていた兄貴をとられたような気分で面白くありません。
そして憲剛を落としに行きます。
二人の様子を見て、憲剛は目の傷の真実や刀麻への想いを語り始めました――
白刃と黒牡丹感想
ゆくえ萌葱先生の男前受けの中でも一番の男前といってもいいような、見た目も中身も男前。義理人情に厚く、信頼と愛情を持っている兄貴分・憲剛。
そして憲剛の傍にいる為に弁護士となり、気を引く為だけに結婚離婚までしてしまうぶっ飛んだ思考の持ち主・刀麻。
ヤクザという常に危険や偏見が付き物の特殊家業。
大切だからこそ一生傍にいたいと思う刀麻と、大切だからこそ自分から遠ざけたいという憲剛のお互いを想う姿に胸を打たれました。
1巻では刀麻の圧倒的な執着愛がフォーカスされていますが、2巻では憲剛の方が刀麻を愛している姿が読み取れます。
ずっと憲剛だけを見てきた刀麻。
そしてそれ以上前から刀麻だけを見てきた憲剛。
想いが通じ合った瞬間、憲剛が受け入れた瞬間の刀麻の表情と涙に思わずもらい泣きしてしまいました。
刀麻の憲剛の優しさから恋人となれた、と想ってしまう心の内を汲み取り、言葉と行動で安心させる憲剛の男前さ。また、お互い自分のせいで傷がついた、と考えるのではなく、傷ひとつとっても自分のモノであってほしいと考えるあたり、執着心を感じました。
20年という長い年月に培われた絆をさらに深いものと感じさせてくれる、何度読んでも楽しめる作品です。
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