僕なしではいられない体に造り変えてあげましょう
桜田先輩改造計画 吾妻香夜 BAMBOO COMICS REIJIN uno！ 竹書房
桜田先輩改造計画あらすじ
主人公の桜田はじめが目を覚ますとなぜか教室にいた。
新人の後輩と飲みに言っていたはずなのに、どうして。
不思議に思う桜田だったが、さらに体中が縛られていることに気付きあまりのことに混乱する。
なぜこんなことになったのかと記憶を辿ることにする。
営業成績が悪く、女性社員にも評判が悪い桜田。
だが、彼に救世主が現れる。
それは中途採用の壬生だ。
壬生は新人にも関わらず営業成績はトップ、そしてその教育係が桜田だった。
何かにあるにつれ、桜田を持ち上げる壬生。
感動した桜田は一緒に飲みに行こうと誘い、そこで泥酔してしまう。
ここまでが、桜田の記憶にあるものだった。
では、なぜこんな状況なのか。
その時、教室のスピーカーから大音量の音楽が流れ始める。
何事かと怯える桜田の前に現れたのは、ボンテージを身に着ける壬生だった。
そして、その口からはとんでもない単語が出てくる。
その上、このような趣味になったのは桜田のせいだと言い、彼は桜田の胸を揉み始める。
男に揉まれても感じない、そう言い返す桜田だったがそこで一つの記憶が蘇る。
桜田の反応にようやく思い出したかと言う壬生だったが、桜田はそんな訳がないと頭を振る。
その思い出とは彼らの高校時代に遡るものだった。
男だから、知らなかった気持ち良さに従順なのは仕方ない
桜田先輩改造計画感想
SMがテーマでなおかつ表紙の構図に一瞬手に取るのがためらってしまうかもしれません。
ですが、読んでいただくとわかるように、かなりコメディ色が強いです。
執着する後輩壬生のふっきれ具合と学生時代にあれこれしてしまった後ろめたさも加わって受け入れる桜田の関係がいいんですよね。
気持ちいいことに流され気味な桜田ですから、壬生にとっては不安もたくさんあります。
自分を好きではなく、単に快楽に身を委ねているだけなのではないか。
そんな不安を感じつつも、二人の関係は進んでいくわけです。
これだけだと、流されているだけの桜田に見せ場はあるのかと思われそうですが、ちゃんとあります。
優秀だが真面目すぎる壬生との対比ではありますが、桜田は先輩ならではの柔軟な対応ができるんです。
こうやって、桜田の見せ場もあるからこそ魅力を感じる内容になるんですよね。
吾妻先生の絵はキラキラしているので、この点もこのテーマには良いと思います。
耽美な場面は沢山出てくるんですが、コメディ要素により和らぐんです。
吾妻先生の絵の特徴といえば、肌の染まり具合なんですよね。
顔だけでなく、全身体温が上がったような染まり具合を描かれます。
しっかりと感じているんだな、という描写です。
同時収録は『藤咲忍はかく語りき』本編にも出てきた藤咲の話です。
こちらは更にSM要素が上がっていますが、コメディ要素も上がっているので安心してください。
藤咲の弾けっぷりを楽しめる作品だと思います。
吾妻先生はデビューコミックスの『モブ山A治とモブ谷C郎の華麗なる日常への挑戦』から作風の幅の広さを見せていました。
このBLがやばい！2019年度版で1位を取った『ラムスプリンガの情景』もありますし、今後もどんな作品を描かれるのか楽しみな先生です。
抵抗あるかもしれませんが絵はきっちり描かれているのにSMのシーンはほとんどギャグです。
いつもと違うタイプの面白さを求めている方にお勧めです！
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