窓辺の君(雲田はるこ先生)のネタバレと感想を書いてみました!
窓辺の君ネタバレ
大学で植物の研究をしている助教授の柴田。
研究室に引きこもりがちな彼の楽しみは、窓から見える学食の窓際を眺めることです。
窓際の同じ席に必ず座る、美しい長髪の美男子を眺めては憧れを募らせていきます。
ついには彼をイメージして薔薇の新種をつくってしまう程。
もうすぐ咲くこの薔薇は、きっと美しいことだろうと大切に育てていました。
学内では柴田のあまりの女っ気のなさに同性愛者なのではないか、なんて噂も広がっています。
事実ではあるものの、体裁が悪いので柴田は噂はデマであると周囲をあしらってなんとかやり過ごしていました。
そんなある時、噂を聞きつけたある男子生徒が彼の研究室を訪れます。
彼は窓辺によく座っていた、あの美男子でした。
思いがけない来訪者に柴田は驚きますが、もっと驚いたのは彼の容姿と振る舞いのギャップです。
チャラついた口ぶりで、驚いたままの柴田に彼は「ホモなんでしょ?俺と付き合ってよ」なんて言います。
彼の名前は竹宮。
見た目の良さも相まって、数々の女性を相手にしてきました。
同世代も年下もかなり年上の女性も。
あとは男性との経験だけだと豪語する様子に、眩暈を覚えてしまいます。
勿論柴田は断るのですが、積極的な竹宮の様子に折れて、なし崩し的に「口でしてやる」ことに。
これがきっかけで竹宮は度々柴田を求めるようになり、彼はそのたびに応えてしまいます。
ずっと触れたかったはずの身体なのに、行為を重ねる度、柴田の心はひどく冷えていきます。
そうしている内に、彼が大切にしていた薔薇が一輪、咲いたのです。
薔薇を「きれいだ」と唇を寄せた竹宮の姿に、柴田の心は揺れました。
そして、口を開きました。
窓辺の君を読んだ感想
「憧れの君」としての竹宮も美しいですが、私は本性を表してからの彼の方が好きです。
性に奔放な様子が若さの象徴たる感じがしてカワイイ。
雲田はるこ先生の描く長髪の男性は本当に魅力的(竹宮は長髪)なのですが、特にこの作品では髪の緩やかな曲線も相まっていて素敵です。
この髪型が彼の個人的萌えポイントです。
憧れの君としての竹宮も、柴田に言い寄ってからの竹宮も同じ髪型で。
一見相反する美しさと奔放さを両立しているのに、どちらの竹宮の見え方にも似合うように描かれているのがすごい。
表紙の竹宮から作中の竹宮の性格はおそらく感じ取れないと思います。
雲田はるこ作品には柴田のようなちょっと根暗な恋心強めな男性が登場します。
そしてそれらのキャラクターが本当にいじらしくてみんなかわいいのです。
柴田は竹宮に憧れて新種の薔薇までつくってしまいますが、そのちょっと行き過ぎた「好き」に浸る様子がかわいい。
推しのイメージカラーでグッズを自作してしまうオタクと通じるものがあるように思います。
そこから竹宮のギャップに打ちひしがれて、しまいには彼に身体の関係を申し出る。
ここに到達した時の柴田の仄暗さを抱えた表情へのグラデーションが、竹宮とはまた違う形でのギャップを柴田というキャラクターに生んでいます。
一見竹宮のギャップに萌える話のように読み取れますが、こちらのギャップも「闇落ち」感が合って萌えポイントだなと思います。
柴田はかわいい。
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