優大が捨てられずに持っている壊れた腕時計。 自分がひどい振り方をしたはずの千秋のその腕時計を、未だに手放せずに眺めている。
きこえた恋の秒針音あらすじ(ネタバレ注意)
優大(ゆうだい)はその日、河川敷で1人倒れる男を見つける。
放っておくには冷たい風が吹く日。
優大倒れる男に声をかけた。
倒れていた男は、見知った顔で。
千秋(ちあき)は優大の元恋人だった。
酷い別れ方をした彼ら。
千秋は優大を見ると嫌な顔をした。
優大が千秋を捨てた日、千秋は酷く傷ついていた。初めて人に愛されて、幸せだっだ千秋。
孤児だったことから人に愛されたこともなくて、好きだと告白してくれた優大に本気になる。
しかし、そんな千秋を優大は、セフレだと思っていたのに、本気になられて冷めた、といって捨てたのだった。
騙されたとずっと優大を憎んでいた千秋。
再会を望んでなんていなかった。
凍死されたら面倒だから。
そう言って、千鳥足で帰る場所もない千秋を、家へ誘った優大。
そんな彼に、借りは作りたくないからと千秋は抱かれたがる。
彼が好きだった体で満足させられれば、お返しになると考えたからだった。
一方で優大も、口にはしないものの当時の別れは彼も苦しんで出したもので。
彼を傷つけることになっても、自分から引き剥がす訳があった。
家族が欲しいと微笑む彼、しかし優大ではその夢を叶えてやれないと感じたからで…。
きこえた恋の秒針音を読んだ感想
昔、付き合っていた頃の彼ら。
子供が欲しい、そうふと漏らした千秋の台詞から全ての歯車が狂っていきます。
言葉足らずで、不器用で、そんな彼らのすれ違いに見ていて胸が痛くなりますが、どんどん続きが気になって、読み進めてしまいます。
中でも、優大と別れた後の千秋が、女とも付き合えず、優大以外の男も受け入れられないと話すシーン。苦しそうな千秋の姿が印象的でした。
男に抱かれそうになって、嫌がる千秋の姿も凄く切ないです。
そんなお話の終盤、別れた理由も全て伝えた優大の告白シーンは、本当にドキドキさせられました。
その後の2人が抱き合うシーンも、嬉しくて泣いている千秋の顔も、本当に最高です! 2人で優大の家に向かうシーン。
車内での会話は是非、作品を手に取って読んでいただきたいです。
千秋のかける言葉が凄く印象的で、健気な千秋の性格がよくわかります。
別れていた7年は無駄じゃなくて、あのまま付き合っていたらきっと家族が欲しくなる時が来ていたかもしれない。
そんな千秋の台詞です。
辛い日々だったけど、自分に向き合えてお前しかいないって気づけた。
そんな台詞に心が痛いです。
健気すぎます。
お話は綺麗にまとまっているのですが、出来れば続編が読みたいです。
共に過ごした後の甘々な彼らの生活をもっと覗いてみたいと思えました。
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