女王と仕立て屋 スカーレット・ベリ子 DEAR+COMICS 新書館
女王と仕立て屋あらすじ
ある仕立て屋の服を着るとどんどん成功していく。
そんな話を上司から聞かされそんな訳がないと思いつつも気になって訪れたインテリアデザイナーの城野大海。
その店を外から覗いていた時に、仕立て屋の志田哲也に声をかけられる。
店に来た理由を聞いてそんな話を信じたのかと笑われ不機嫌になり、しかも1カ月先まで予約が埋まっていると言われる。
自分を優先しろと言う大海に出来る訳がないと返す哲也。
怒った大海は予約せずに帰るがどうも店が気になって仕方がない。
そして1カ月経ち哲也の店に行き大海はやはりスーツを仕立ててほしいと言う。
金額はどれだけかかってもいいが、条件があるとしてスーツが完成するまで店に通いたいと申し出る。
哲也は了承し、採寸を始める。
採寸する哲也の表情に反応する大海。
そう、大海が気になった理由は哲也が楽しそうに仕事をしていることだった。
どうしたら自分もそうなれるのか。
悩みにぶつかっている大海は知りたくて仕方がなかったのだ。
哲也は好きだからだと言うも、言い返す大海にさらに重ねてこう答えた。
それは後に無茶なことを言ってきてもそれを成し遂げた達成感。
その瞬間、大海の中のものがストンと落ち、そして哲也のことが気になっていく。
そして、そのことを哲也に伝えると自分も大海のことを教えてほしいと言われ―…。
憧れていた職業なのに現実は上手くいかない。
女王と仕立て屋感想
それは仕事の面だけでなく、人間関係も大変だとさらに精神を抉られていきますよね。
そんな時、何かに頼りたくなる。
この話なら、「伝説の仕立て屋のスーツ」なわけです。
もちろん、テーラーである哲也は笑いますし主人公の大海も信じているわけじゃないけどと言い返しています。
でも、それでも気になるのはきっかけが欲しいんですよね。
そのくらい現状を打破したいと思っている。
その時に出会った大人の男性に惹かれていく、と書くとちょっと陳腐かもしれません。
でもたった一度の出逢いがその人の人生まるごと変えてしまうことってやっぱりあるんですよね。
また、大海が必死に大人になろうとしている姿が見ていると無理しなくて良いのでは、と思ってしまいますが彼にとって重要なことなのですよね。
哲也に追いつきたいというよりは頼られたい。
年下だけど男として扱ってほしい。
もちろん、哲也はずっと大海をかっこいいと思っていますし子供扱いなんてしていません。
でも、結局二人ともかっこつけなので弱いところを見せたくないなっていう意識が働いてしまう。
そして、そこが寂しいなって思ってしまう。
ちゃんと気持ちを伝えていればこじれることない感情なのに、やっぱり難しいですね。
でも、難しいからこそ読んでいるこちらも一緒になってドキドキしたりするんだろうなって思います。
スカーレット・ベリ子先生は三白眼系の男性が出てくる作品が多いのですが、今回の哲也もそうです。
そしてこちらの予想とは受け攻めが逆ということも多々あります。
他の大人の男性が余裕な振りして年下の頑張る姿を愛でるつもりがまさかのテクニックに驚くとかそんなところも可愛い作品です。
理想と現実との差に大海のように悩んでいる方には、ちょっぴりホロ苦く感じるかもしれません。
でも、成長物なので読了感は良いですよ!
絵も綺麗なのでオススメです。
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