それでも、やさしい恋をする ヨネダ コウH&C Comics CRAFT SERIES 大洋図書
それでも、やさしい恋をするあらすじ
出口晴海は同性愛者だが、会社でカムアウトするつもりはない。
だが、同じ会社の嶋は同僚にバレて大変そうなところを見てしまう。
周りだけでなく、嶋自身も悪いのはないか、自分なら絶対バレないようにすると仕事の合間にホテルで時間を過ごす出口。
ある日出口は友人に誘われスポーツバーへ行く。
そこで小野田良と出会うが出口を年下だと勘違いした彼を出口はからかう。
小野田には彼女がいて気の強い子で振り回されていると周りから聞かされ何故か気分が暗くなる出口。
そして偶然小野田と彼女を見かけ、二人が手を繋ぐところを見てしまう。
会社では嶋が付き合っていた男が異性愛者らしいという噂を聞き、出口は同性愛者でなければ、どこかで気持ちを止めるだろうと苛立つ。
苛立つ出口は偶然帰りに小野田と出会うが、調子が悪そうなことに気付き家まで送る。
彼女のことがチラつき、長居は無用だと思うが小野田から別れたことを聞き看病する出口。
実は小野田と彼女が手を繋いだ瞬間が忘れられず、羨ましいと思っていたのだ。
友達なら傍にいてもいいのか、と小野田の事を想う出口。
それからしばらくして、嶋は会社を辞め小野田の会社に再就職していた。
嶋は同性を好きそうだと言う小野田に対し、出口は気にならないのかと尋ねる。
自分がその立場ではないから、と笑っていた小野田だったが、嶋を好きになってしまい―…。
報われなくても、どうしてもあの優しさを諦められない
それでも、やさしい恋をする感想
実写映画にもなった『どうしても触れたくない』のスピンオフなのですが、良かったです。
嶋を好きになっていた小野田だったけど、彼には外川がいますし、別に彼からとるつもりもない。
小野田は嶋に対し恋をしたが同時に失恋したと思うんですよね。
そしてその傍にいるのは出口なんですよね。
そんな出口が小野田と彼女の姿を見て羨ましいと思うその感情が胸を締めつけます。
今までドライな関係を好んでいた彼が3年という長い片想い生活に耐えている事実こそ小野田への愛情が伝わりますよね。
異性愛者か同性愛者かということで出口は悩み続けるわけです。
そして小野田は出口と真摯に向き合いたいと思っている。
それはわかるけれど、やっぱりどうしても気になって仕方なく、素直になれない。
その気持ちの揺れがすごくよくわかるんですよね。
恋愛のもどかしさが読んでいるこちら側にも伝わってきて、切ない気分になります。
ヨネダ先生といえば『囀る鳥は羽ばたかない』もアニメ映画化していますね。
こちらもドキドキな展開なのでお勧めの作品です。
恋にドライな人が本当に好きな人ができると一途になってしまう。
その可愛さにキュンとしてしまいます。
恋愛の楽しさや幸せという気持ちが出口の表情よく出ています。
素敵な作品ですから、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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