ラクダ使いと王子の夜(緒川千世先生)のネタバレ感想です。

まずは、ネタバレからどうぞ!

彼との身分違いの恋ネタバレ

砂漠を行き来するキャラバンである青の民。

カマルはある時、砂漠の中に倒れていた男を助ける。

しかし、目覚めた男は自分も持ち物がなくなっていることに怒り、カマルはそんな彼に責められ、そして彼は去っていった。

一方、カマルの元を離れた男、アルファルドは自分の持ち物が露店で売られているところを見つける。

店主から売り物について聞き出すアルファルド。

砂漠で倒れていた男から盗んだと言う店主に、アルファルドは本当に自分は助けられただけなのだと知る。

しかし、アルファルドが急いで引き返しても彼らはすでに旅立った後であった。

その後のカマルは体調を崩していた。

元々、今は亡くなった母親に連れられやってきたカマル。

肌が白く、砂漠の気候には弱いカマルは、アルファルドの世話をするために無理したことが余計にその体に障っていた。

そんな中、カマルの元にアルファルドが現れる。

以前の非礼を詫びたいと話す彼。

カマルは周りに押されるようにして、療養がてら彼の屋敷へとついていくことになった。

体調不良の間はと彼のもとで暮らすことになったカマル。

出てくる食事や広い邸宅に驚くことばかりだった。

そんな夢のような生活に、カマルは次第に自分の生きる場所はここではないと感じ始めて…。

彼との身分違いの恋を読んだ感想

お話は表題作の他、3話が入っています。

絵柄の綺麗な作者さんですが、全て話の雰囲気が違って見ていて楽しめます。

表題作のようにほっこりするものから、ぞくぞくするものまで是非楽しんでいただきたいです。

今回、カマルとアルファルドの関係ですが、カマルが身分の違いを感じ、彼の元を去ることを決意します。

そんな彼を引き止めるアルファルドがすごく魅力的で、読んでいてドキドキするシーンでした。

それからいつものキャラバンへと帰ったカマル。

しかしすれ違いから、自分の友人でもあるラクダのサディークを連れて彼らの元を逃げます。

砂嵐に巻かれたカマル。

サディークと共にそのまま体を寄せ合って…。

読んでいて切なくなるお話です。

しかし、カマルが最後幸せになれる展開ですので、ほっとしました。

書き下ろしでは彼らのそれからの話もありますので、是非手に取っていただければと思います。

そうして他の3話に関してもそれぞれドキドキさせられます。

全て現代のお話で、同級生同士、弟×兄、父×子と後ろ2つに関しては、もしかしたら苦手な方もいるかもしれません。

ハッピーエンドを迎えるお話ではないので、心の余裕があるときに覗いてみると楽しめるかと思います。

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