キャッチフレーズ】
・君と送る、優しい日々
・日常系BLの毎日を覗き見
【作者】
ハシ スミオ
よりよりそいあいあらすじ(ネタバレ注意)
表題作は、同性カップルの日里と郁がおくる、穏やかな日常を描いたストーリー。
起きて、顔を洗い、ご飯を食べて、仕事をして、一緒に眠る。
出勤する日里と在宅ワークの郁では、時間の過ごし方が違いますが、寄り添い合って生活しています。
時には旅行に行って、時には髪を切りに行って。
近所には日里の祖父母も暮らしている、暖かい街での暮らし。
二人が住んでいるのは、日里の幼少期の思い出が詰まった実家です。
両親が亡くなり、姉も出た家に、日里は恋人の郁を呼んで暮らしていました。
まだ郁のことを“同居人”としか紹介できていませんが、家族と彼の関係は良好。
しかし、郁を無理矢理自分の都合に巻き込んでいないかと、日里は少し負い目に感じています。
古い家での過ごし方を考える内に、二人は少しずつ“家族”になっていくのでした。
そのほか、短編を2本収録。
祖父とハイヒールを履いた少年型アンドロイドの、最期を見守る「くつのね」。
レギュラー入りできない野球少年・三田を撮りたがる、泣き顔フェチのカメラ小僧・羽山の日々を切り取った「一等星になれなかったひと」。
青年と少年達が織りなす、ちょっぴり切ない毎日。
よりよりそいあいを読んだ感想
全部で三組が描かれる、ヒューマンドラマ的な穏やかな作品集でした。
派手なエピソードはありませんが、淡々と描かれる日常に引き込まれます。
「よりよりそいあい」の日里と郁は、お互いを想い合う確かな関係性が感じられながら、少しずつすれ違う様子に、胸をくすぐられました。
一緒にいるためにどうするのか、という身近な問題に触れつつ、同性カップルゆえの難しさもあるのかなと考えさせられます。
しかし、BGMがあまり流れない邦画のような、どこか見慣れた毎日が描かれるエピソードの数々は、読んでいてほっと息がつける内容でした。
「おまけ」での二人も、ご近所さんと触れ合う様子が微笑ましかったです。
「くつのね」では、祖父の頼みでハイヒールを履くアンドロイド二葉と交流する少年ケイの、淡い想いが楽しめました。
祖父が死んだら、二葉は一緒に止まってしまいます。
ハイヒールの靴の音を通して、人を亡くす寂寥感が表現されているのが見事でした。
「一等星になれなかったひと」は、スポーツで悔しい思いをする少年・三田が主人公。
泣き顔を撮りたがる羽山と、葛藤する三田の青春の一幕は、今後の展開に妄想をかきたてられます
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