感情が大きく揺れると、勝手に超能力を発揮してしまう朝井。

そのため色んなことを諦めてきた彼が、星子に対しては諦めきれずにいて。

スプーンが曲がったらあらすじ(ネタバレ注意)

星子友輝(ほしこともき)はその日、校舎裏でボールを投げてイライラを発散していた。

キンキンとうるさい声の教師。

授業をサボったり、赤点ばかりの星子は、つい先ほどまで説教をされていたのだ。

そんな時、逸れたボールが校舎のガラスへと向かう。

歩いていたのはクラスでも大人しく、周りともあまり馴れ合わない優等生の朝井日昇(あさいひだか)。

彼が怪我をすると冷や汗をかいた星子。

しかし、気付けば見知らぬ道路に寝転がっていた。

隣の市の全く知らない場所。

理由はわからないものの、星子と朝井は学校からそこへと移動していた。

不思議な体験、とりあえずまぁいいかと彼と別れようとした星子だが、朝井はバスの乗り方も知らず、1人では帰れないようだった。

感情を感じない会話。

星子はただ質問に答えるだけで、意思を感じない彼をまるでロボットのようだと感じる。

しかし、そんな浅井の顔が、海を見た瞬間輝いた。

嬉しそうなその顔、2人は少しの間、海を眺めていた。

彼と共にバスに乗り、星子の見知ったバス停で降りる。

しかし、別れ際、朝井は真面目な顔で星子に向き直る。

瞬間移動したのは自分の超能力のせいなのだと告げてくる朝井。

戸惑う星子だったが、朝井は気にせず帰って行き…。

スプーンが曲がったらを読んだ感想

朝井が凄い真っ直ぐな子で、読んでいて段々と彼が傷付かないか、嫌な思いしないからそわそわしてしまいます。

それでも物語の中盤まで来ると、父親よりも星子を優先し始めて。

言動なんかもどんどん逞しくなっていくので、見ていて安心しました。

段々と星子への想いに気付く朝井。

気持ちが高揚したことから、不意に目があった人を好きにさせてしまう能力を発動させて、トラブルになったりと、すごくドキドキする展開です。

その後、星子からキスしたあと、照れるんじゃなくて、すぐに嬉しそうに朝井からキスを仕返す流れが本当に素敵です。

見かけほどちゃらくなく根が良い星子と、優等生として生きてきた朝井。

そんな2人だからこそ、空き教室で触りあいするシーンが余計に、やましく見えてきます。

尊いです。

書き下ろしの花火のお話は、お話も凄く素敵なのですが、何より絵が綺麗すぎて。

2人で手持ち花火を持っているシーンは、白黒の漫画のはずなのに色が見えてきそうで驚きました。

元々、表紙がすごく綺麗で惹かれたのもあるのですが、このシーンも是非読んで、楽しんでいただきたいです。

2人のその後の展開も気になるので、続編、それも少し大人になった彼らが見たいなぁと読んでいて思いました。

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